時折例外もいるが、得てして初心者は自分に自信がないものである。自分に自信がないだけではない、できない理由が自分のせいだと考えてしまう傾向にある。「初心者だし」初心者は「初心者」であることを言い訳する。
店頭にお客様が立つ「私ね、初心者だから」とまずおっしゃる「インターネットくらいはしたことあるわよ。でも、初心者だから、よく解らないの」
私は答える「ああ、それは初心者なのが悪いのではなくて、初心者にわかりにくいサイトを作っている企業が悪いのです。だって、お店に入ったときに初めてでも買えますよね?初心者というのは買えない理由ではないのですよ」
それでも皆様口をそろえておっしゃる「初心者だから、こういうことがおきたらどうすればいいのかわからないのよ!」
例えば、セキュリティ警告が出たとき、Flashのプラグインを求められたとき、サイトの下に「InternetExplorer4.0以上で見てください」と言われたとき。印刷しようとして片側のフレームしか出なかったとき、1枚だけ印刷するつもりが印刷したら6枚くらい出たとき。恐怖の原因を挙げたらきりがないほど。
9月に新規開校をした。お問い合わせいただくお客様は皆同じことをおっしゃる。「わたしね、インターネットくらいはできるんだけど、初心者だし、基礎が解っていないからちょっとしたことで困ることが多いの」「パソコンは言葉が難しすぎて」
今回は大阪で開校なのですが、場所が東京であろうと大阪であろうと困ることは皆一緒。「年だから、パソコンは難しすぎて、ゆっくりやらないと覚えられない」
中高年はインターネットで銀行に行くことや(オンラインバンキング)ショッピングを挑戦したいと思っているのに「怖くてねー」
「何が起こるかわからない」恐怖というものを「初心者だから」という言葉で言い訳してしまう。本来は「初心者だから」という言い訳はない。例えばそれが通常のお店であれば、初めて入ったお店でも物が購入できる。
通信販売であればコールセンターの人に「初めてなんです」といえば、決して「これがお薦めですよ」と言われなくても品番を言えば、通信販売のコールセンターに合わせたナビゲーションによって購入できる。(実際、自分自身が通信販売のコールセンターでアルバイトをしていたときに「買うの初めてなんです」ということはよくあった。)
しかし、インターネットはどうだろう初めての人に、ものすごくわかりにくいシステムになっている。「買いたい」「使いたい」「情報を得たい」というときに該当サイトに訪れるまではできても、その先に「プラグインが必要です」や「ショッピングカートに入れてください」とほっぽられ、サイトをどぎまぎしながら見ているうちに、時間がたってしまい「まだ、インターネットで情報を得るなんて難しい」と思ってしまう。
「インターネットで旅行の予約とかすると、本当に便利ですよ」と申し上げると「それは解るんだけどね、便利なんだろうね、でも、難しいから。初心者だし」
数ある初心者に対して思いやりを持たないサイトによって、たくさんの人がインターネット上で予約や購入をしたくてもできないのが現状。実際インターネットをしているお客様でも「いつになったらお買い物とかできるようになるんだろう」とおっしゃる方は多い。「今でもできますよ、やってみます?」とショッピングサイトを見せると、1面(トップページ)の情報量に圧倒され「どこから見たらいいのか解らない・・・」と嘆く。
世の中で「初心者だから」というのは、その先に進めない言い訳に過ぎない。その言い訳を作らせてしまう見た目小難しいウェブサイトが少しでも減れば・・・