『さぁ、画面の上を見ましょう』
普通の言葉のように聞こえるこの言葉、
私たちがいつも焦るのは、生徒さんが突然スクロールの下向きのボタンをクリックする。
本当に多くの人が、上下を逆に考える。
一度、「上にいくから上のボタンを押すんですよ」 と言ったところ 「下のボタンを押すと紙が下に送られて、上が現れると思った」との答え。(下図参照)
パソコンに慣れた者にとっては、その間違った概念を理解するのは難しい。
下のボタンを押せば下の画面が出てくるのは当たり前だと思っている。
ホイールを使う人も多いが、まわしすぎたり、ホイールの部分を押してしまったり と、やはり操作は難しい。
特にホイールを押してしまった場合は最悪だ。 あっという間に画面が動いてしまう。
ウェブで1ページが余りにも長いものはオススメしない。
まず、初心者には空間能力がないのだ。 「トップへ」、と書いてあってもその意味が解らない。
「下へスクロールして下さい」と言われても 「下」という概念がない。
私は東京者なので、大阪にいくといつも迷ってしまう。 「○○はどこですか」と聞くと「北に行って」とか「東に」と回答されると「私は方位磁針なんて持ってない!!!」と叫びたくなる。
多分、ウェブの中で中高年は同じ気持ちなのだと思う。 「上へ」「下へ」という言葉は、実は全く伝わっていない。
「そんなの一部だけじゃないの?」と思うなかれ! 本当によく驚くのです。 実はインターネットだけではなくワード、エクセルもそう。 スクロールが出てきて「上を見ましょう」というと、大抵の人が下向き三角をクリックする。
「上ってどこにあるの?どこからが上なの?」というのはTさん61歳、女性。
TOPってなに、HOMEってなに?
理屈はわかっても「なんでこの人は反対向きをクリックするのだろう」という気持ち は消えない。 でも、彼らにとってはそうなのだ。
シニア・シルバー層&初心者の空間能力がない、という特性の対策は、とにかくページを短くすること。
そして、画面のつくりが視線を分断させてしまってはいけない。
上下を考えさせないつくりが彼らにとってはストレスがないページとなる。
となると、amazon.co.jp の商品紹介のページになると大変なことになってしまう。
これはハリーポッターのページ。
いずれアマゾンについては解説しますが、アマゾンも初心者にとっては使いづらい!!
ページ内のリンクが張られていて、「詳しい情報を見る」をクリックしても同一ページ内のリンクでしかない。そのうえ、下に行くと「トップへ」と 書いてある。
しかし、彼らにとって、それが同一ページであるかどうかは見ていな い。 そのために、一旦下まで見て、上に戻って、またクリックすると同じ情報に戻るというのはものすごくストレスになる。
もし、この話が信じられないというならば 是非、うちの教室に来て欲しい。