まとめ
全体的に操作上の問題点はほとんどなく、タスクの「ついで買い」の達成率は100%でした。しかし商品を表す画像とキャッチコピーが端的に商品を伝えきれていないように見えます。
「ユーザーは、何を求めて自社サイトに来たのかを知る」
アクセス解析からユーザーの来訪意図を考えましょう。「お茶」で検索したのなら、「自分のサイトをきっと読みたいはずだ」というのは間違いです。多くのユーザーはそこまで商品や店舗のことを思っていません。
「ユーザーは10秒で、そのサイトで何を次にすべきかを決める」
今回は「タスク」があるのでそのまま注文という行動に移ってもらいましたが、サイトの内容を把握できない場合にはナビゲーションから別のページへ、もしくはページを離脱する可能性もあります。
視線の特徴
ファーストビュー
全体的に奇麗なページ。
ただし、検索エンジン経由でこのかぶせ煎茶のページに入ってしまった場合、「どのようなお茶のページなのか」を理解しにくい。リピータが多いウェブサイトの場合詳しい説明が省かれる傾向があるが、サイトに初めて訪れた方を考慮し、説明は省かないほうが望ましい。
本サイトの場合、トップページに「甘みとコクが濃ゆい『かぶせ煎茶』 」とあるが、ファーストビューが画像だけになってしまうため、理解がしづらくなる。(解像度:1024×768の場合)
ユーザーは写真で理解できない場合、写真に書かれているキャッチコピーをチェックし、その後サイトロゴを見る傾向が高い。画像のクオリティとキャッチコピーが非常に重要である。
ページには「ご注文はこちら」とリンクが張っており、リンク先もショッピングカートボタンが画面中央にくるように配置されているため、初心者も戸惑わずに操作が可能。
<問題点>
1)写真だけではお茶の特徴がわからない
2)文章でお茶の良さ・特徴が伝わっていない
<改善案>
1)かぶせ茶の特徴を画像の周りにキャッチコピーを配置
2)文章を全体的に短く、端的に書く
ついで買い
1)一つの商品を買い物かごに入れた後に「買い物を続ける」ボタンの意味が「1)元の商品に戻る」のか「2)購入ステップに進む」のか わかりづらい。できれば「元の商品に戻り買い物を続ける」とラベルを変える。
2)「買い物を続ける」をクリックし、元のページに戻ってから、次のアクションの起こし方で惑う。主に上部のナビゲーションにいくか、左のナビゲーションに移る。
左のナビゲーションに視線が行った場合には商品をカテゴリで認識できる。
上のグローバルナビゲーションに目線が行った場合には、ナビゲーションの文字が薄く、ティッカーのように表示されているために、クリックできると思わないことがある。よりついで買いを促すために、上部のナビゲーションがもう少しボタン形状になっているとよい。
3)1名、元の商品に戻った後にページをスクロールさせ、ページ下の「おすすめ関連商品」から購入しようとしたが実際この部分は「かぶせ煎茶」と同時に購入するときに利用するものであり、個数を選んでも特に意味がない。ユーザーを惑わすナビゲーションになってしまうため、ここで個数を選べないようにするか、ショッピングカートボタンの近くにお薦め商品を配置する。
買い物かご周り
1)上記でも触れたが、「買い物を続ける」ボタンがナビゲーションとして惑わせやすい。
2)買い物ナビゲーションがあるが、矢印の形状になっていないため、その意味が理解されにくい。
3)買い物かご部分に5000円以上で送料半額とあるが、買い物かごページでの送料が下のほうにあるために戸惑うことがある。
調査概要
調査対象URL | お茶の通販・京都おぶぶ茶苑 |
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目的 | ・商品ページから購入への導線を探る ・複数個買い物かごに入れるときの障壁 |
調査手法 | ・アイトラッキングによる視点追跡・ヒアリングによる意見聴取・ユーザー観察による問題点抽出 |
タスク内容 | かぶせ煎茶と大地のお茶を購入してください。 |
調査対象者
被験者 | 年齢 | インターネット利用歴、その他情報 |
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Mさん男性 | 35歳 | ヘビーユーザー。ネットで商品購入をよく行っている |
Mさん男性 | 39歳 | ヘビーユーザー。 |
Nさん男性 | 36歳 | ヘビーユーザー。自分自身でウェブを制作することもある。 |
Mさん女性 | 31歳 | ヘビーユーザー。ネットで商品購入は問題ない。 |
Yさん女性 | 25歳 | ヘビーユーザー。 |
アイトラッキング動画
//youtu.be/YUI9v50hi7U