活発化するシニア層を自社に取り込むための鍵となる項目は?シニア層がネットショッピングを試みて、引っかかるポイントは以下のとおり。
1)目的のものが探せない
2)書いてある意味が解らない
3)会員登録ができない
最大のネックは3)会員登録。1)と2)はクリックしているうちに何とかなっても、会員登録だけはなんともならない。
まず、会員登録の意味が解らない。アナログの店と違って、実際の店舗がない分、隣の店に動いた、お向かいの店に行ったという感覚がない。
だから、一つのIDとパスワードが違うお店で有効でない、という意味が理解できない。それもそのはず、彼らにとってはどの店も同じように感じているのだから。
「すぐに忘れちゃうのよ。聞いたことを帰ったらすぐ忘れちゃう!」と笑顔で言うシニア層は多いが、混乱しやすいものは忘れやすい。例えば、店のつくりが他の店と同じような作りだったり、検索エンジンから店を探し出した場合には、どの店でどのIDを使っているのかすら忘れてしまう。すると、最大の難関は、ログインを求められたとき。
「メールアドレスとパスワードを入力してください」の指示に、メールアドレスとメール用パスワードを入れてしまうことが多い。実際に、プロバイダから与えられたメールの設定書を片手にパスワードを入力している姿をよく見ます。そうすると、「パスワードが間違っています」「もう一度IDとパスワードを確認してください」などと出てくるわけです。
「え、なんで、私のメールアドレスとパスワードが使えないわけ!?」と何度も繰り返し、だんだん嫌になってしまう。これは玄関でコケル例。
たとえ、正しいパスワードがわかっていたとしても、パスワードの大文字小文字を区別するのも大変です。これは、鍵を開けようと鍵穴に差し込んでうんうんうなる例。
あとは、ログイン以前の状態。つまり、会員登録で引っかかる人も多くいます。会員登録のための情報入力。病院で記入する問診票とはわけが違う。病院に行っても、もちろんお店に行っても「ニックネームを決めてください」なんて言われたたことがないので、なかなかニックネームの意味が解らず、決められない。
さらに、半角がダメだの全角がダメだのと続く。私の実感値では、7割がたの人が会員登録で引っかかっている。そのうち2割の人がショッピングをあきらめている。(残りの8割はうちのスタッフや娘・息子に相談する。)
会員登録を何段階かに分けるという手も有効だが終わりが見えない道ほどつらいものはない。今どこにいて、これから何が出てくるのかを示すことが必要だ。
(2004年7月8日)