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パソコン教室でわかったシニアの「使いにくさ」を左右する要因

2012年2月27日   by stj064 IT・ネット,シニアビジネスコラム


2月に入っても厳しい寒さが続きますが、
高田馬場のパソコン教室は、相変わらず大勢のシニアでにぎわっています。

教室ではWordやExcelを習っている人が多いのですが、
初心者の方から毎日いろいろなを受けていると、
それが皆さん似通っていたり、ハッとさせられることがあったりします。

今回はその気付きを基にして、
“シニアが初めて使っても困らないインタフェース”について
考えてみたいと思います。

パソコン教室でよく受ける質問とは?

まず、本当に初めて習う生徒さんからよく受ける
質問やトラブル例を紹介します。

・大変!マウスがいなくなった!
 ┗(´-`)。o0(タスクバーの下の方にうろうろしてる…)

・この黒いチカチカするのを消したい!
 ┗(´-`)。o0(それはカーソルだから消せないんだなー)

・この黒い枠なに?取りたいんだけど。
 ┗(´-`)。o0(それは選択しているセルだから、枠じゃないよ)

・2行ある文章を選択したいのに、右端までいったらどうするんですか?
 ┗(´-`)。o0(全部マウスでなぞらなくても選択できるよー)

WindowsやOffice系のソフトを使い始めると、
まず最初のころは、GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)特有の
「ポインティングデバイス」の扱いに対する質問が多いです。
この辺は微笑ましいですね。

恐怖の、スペースキーとEnterキー

考えさせられるのは、次のような質問です。

・「では漢字に変換しましょう。スペースキーを押してください」
 「先生、なんでその横にある『変換』じゃないんですか?」「えっ…」

・「じゃ文字を確定するために、Enterで確定してください」「はい」
 「次の行に移りたいので、またEnterを押してください」「えっ?」「えっ?」

これ、深い問題だなぁと。
Enterキーには、『確定』『改行』の2つの機能があり、
スペースキーには、『空白』『変換』の2つの機能があります。

同じキーが、「状況」や「モード」によって違う働きをするために、
シニアのパソコンへの最初のとっかかりをくじいてしまっています。

さらにタチが悪いのは、スペースキーの横には
『変換』『無変換』というキーもあるんですよね。

ある程度パソコンに慣れたシニアの中には、
この『変換』キーをずっと使い続けている方も多く見受けられます。
そりゃそうですよね、『変換』ってわざわざ書いてあるんだから…。

シニアは特に「モード」の認識が苦手?

「モード」が悪さをするトラブルは、他にもたくさん見られます。

・上のメニューが押せないんだけど何で?
 ┗(´-`)。o0(ダイアログ開いてるから閉じないと…)

・セルの中を選択したいんだけど、なぜだかできないの。
 ┗(´-`)。o0(罫線ツールONになってる…)

・メニューに「表ツール」が出てこないんだよ。
 ┗(´-`)。o0(まず表の中をクリックしないとね)

・なぜだか行を全部選択しちゃうんだよ
 ┗(´-`)。o0(行選択カーソルになってるからね)

ある程度使い方や機能を理解し始めたときにぶつかるこれらのトラブル。
「~のはずなのに、そうじゃない…なんで?」というタイプです。

パソコンを苦も無く使える人と、苦戦する人との違いの一つは、
この「モード」という概念を意識できているか否かが大きいのではと思っています。

実は自然界や昔から使われているモノは、
「モード」がないものの方が圧倒的に多いです。

このボタンを押したらいつでも同じことが起きる、
シニアの方々はずっとそうした環境で生活されてきました。

ボタンを押す状況によってアウトプットが違うなんて理解できない!
もしかしたらそう思われる方も多いのではないでしょうか。

「モーダル」から「モードレス」へ

ちょうどソシオメディアの上野さんが、「モード」についての記事を書かれていました。
とてもわかりやすい内容です。

普段、業務アプリケーションなどのUIをデザインしていると特に思いますが、コンピューターの世界のデザインはものすごくモーダルです。しかし我々はもっとモードレスなデザインにチャレンジしなくてはいけないと考えています。

ソシオメディア | World IA Day 2012 Tokyo で講演しました
https://www.sociomedia.co.jp/3711

また「モード」の功罪については、
『ヒューメイン・インタフェース』という本でも議論されています。

ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針
http://www.amazon.co.jp/dp/4894714205

ここでは、モードに頼ってボタンに複数の機能を持たせるより、
「ボタンを増やすことを恐れるな!」とまで書かれています。

また多機能にするのであれば、
iPhoneのようにボタンのラベル自体を変更することが必要である、と。
ラスキンは状況に応じてUI自体が変化するものを、
『モーフィングマシン』と呼んでいます。

 

これからシニアにも普及が見込まれるスマートフォンですが、
シニア向けアプリを設計する際には、
この「モーダル&モードレス」を意識して設計したいですね。

 

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