「ユーザー調査」を業とするマミオンでは、インタビューの音声データや、ユーザーテスト動画の分析を毎日のように行っています。
今回は、そうした作業における小さなストレスを軽減し、分析のスピードアップに貢献してくれるソフトを2つご紹介したいと思います。
テープ起こし作業に欠かせない「Okoshiyasu2」
私がインタビュー調査のテープ起こしの際に愛用しているのが、「Okoshiyasu2」という無料のソフトウェアです。こちらは、調査業務に携わっている方の間では、すでにポピュラーかもしれません。
議事録の作成に必須。テープ起こしソフト「Okoshiyasu2」(PC Online)
MP3の場合、Windows Media PlayerやiTunesが関連づけられているため、これらのソフトを使って議事録を作成しているユーザーが多い。しかし、これらのソフトは音楽を聞くのには向いていても、議事録の作成には向かない。数秒だけ戻りたいとか、再生速度を遅くしたいといった、議事録の作成に必要な機能は持ってはいないのだ。
実は、こんなときに非常に便利なソフトがある。今回紹介する「Okoshiyasu2」だ。テープ起こしに特化したソフトで、“あればいいなぁ”という機能が満載。まさに“かゆいところに手が届く”ソフトだ。
出所:PC Online
私がこのソフトウェアで一番気に入っているところが、「ホットキー」機能です。
PCで音声の再生とテキストの打ち込みを同時に行う場合、いちいち再生/停止操作のためにアクティブウィンドウを切り替えるのは非常に面倒でストレスが溜まります。そんなとき、非アクティブの音声再生ソフトに命令が出せる「ホットキー」機能が設定されていれば、キーボードから手を離さなくても済むので大変便利です。
もうひとつ便利な機能が、再生・停止や巻き戻し、早送りなどの操作を自分の好きなキー操作に割り当てられる「ホットキー」機能だ。
ワープロソフトなどで再生内容を記録していく際、音声再生ソフトで巻き戻しなどを実行すると、アクティブウィンドウをいちいち切り替えなければ操作できず、非常に面倒だ。そういうときにホットキーで操作が実行できる。
出所:PC Online
動画再生ソフトにホットキーを設定するプラグインがあった!
「プロトコル分析」に代表されるように、ユーザーテスト(ユーザビリティテスト)を行ったあとの分析においても、まずは録画したテスト動画からユーザーの行動や発言などを時系列に沿って細かく書き出すことから始まります。
上述した「ホットキー」機能は、こうした動画の分析時にも非常に重宝します。しかし残念なことに、現時点で「Okoshiyasu2」は動画ファイルには対応しておらず、また今後もアップデートは見込めないようです…。
そこで最近見つけた解決策が、以下でご紹介する「WMP Keys」というWindows Media Player(以下WMP)用のプラグインです。
「Windows Media Player」にホットキーを割り当てるプラグイン「WMP Keys」(窓の杜)
こちらをインストールすれば、動画においても念願の「ホットキー」が使えるようになり、分析作業の効率が飛躍的に高まります。WMPはWindowsでの標準的な動画再生ソフトなので、それをそのまま使い続けられるのも嬉しい点ですね。
プラグインを利用するためには、下の画像のように、インストール後にWMPのメニューから機能を有効にする必要があります。
またホットキーは、プロパティから自分で好きなように設定をすることができます。私は、片手で押しやすく、他のソフトと競合しない「Ctrl + 無変換」を再生/一時停止に、「Ctrl + Shift + 無変換」を5秒巻き戻しに当てて使っています。
今後も増えていく、テスト動画を「自ら分析する」機会
安価なユーザーテスト手段も普及してきたこともあり、現在では多くの企業においてユーザーテスト動画を分析する機会も増えてきたのではないでしょうか?
こうした動画から一つ一つ行動を抽出していく作業は、非常に地味で時間がかかります。しかし、ファクトに基づいた効果的な改善アプローチを考える上で絶対に欠かせないステップであり、またこれを繰り返していくうちに、ユーザーの行動が肌感覚でわかるようになってきます。
皆さんも、ぜひ上述の2つのソフトを使って、ユーザーの声やテスト動画をたくさん分析してみてください。また今回見つけられなかったのですが、Macで同様の機能を持つソフトをご存じの方がいらっしゃれば、お問い合わせやFacebookページから教えていただけると嬉しいです!