「ご自身の『アカウント』を使って『ログイン』してください。」
私たちにとっては何てことのない、毎日行っているこの手順。
しかし、特にシニア層のインターネット初心者の方々にとっては、
ここが意外と大きなハードルであることがわかってきました。
今回は理解を難しくさせている原因を分解し、
またスムースに理解してもらうためにどう説明したらよいか
少し考えてみたいと思います。
『アカウント』とは何かがわからない
まず『アカウント』という言葉自体、シニア層にとっては耳慣れないものです。
また、以下のようにサービスによって言い方も様々です。
- Yahooは『ID』
- Googleは『アカウント』
- 楽天は『会員』『ユーザID』
- Twitterは『ユーザー名』等々
これらが全部同じ意味で使われているなんて、初心者にわかるでしょうか?
知り合いの、とある地方に住む70代男性の方は、
アカウントの意味がわからず、辞書で調べたそうです。
そこには「申し開き・原因・評価・記事・価値」と書かれていたそうで
どの意味かを聞かれて困ってしまいました…。
サービスごとに『アカウント』が必要なことがわからない
「アカウントがあればいろいろできるんだ」とわかった方は、
次に複数のアカウントを管理する必要があることにショックを受けます。
先週のメルマガで書いたネットショッピングをしようとした方は、
以前にどこかで登録したアカウントさえあれば、
インターネットの全てが使えるんだと思っていたようです。
またパソコン教室で別の方から受けた相談では、
メッセンジャーのWindows Live IDのところに
一生懸命パソコンのログインIDを入れていたという例もありました。
「パソコンのモニタの向こうは全部一緒」なのかもしれません。
では、『アカウント』をどう説明したらよいのか?
大人への説明に一番効果的なのは、よいアナロジー(類比)を使うこと。
ということで、Twitterでこんな呼びかけをしてみました。
[blackbirdpie url="https://twitter.com/#!/stj064/status/181659853683560448"]
こちらに返ってきた回答を、以下にまとめてみました。
ニックネーム派
コンピューター用のペンネームですかね?
源氏名とかは?... ダメか(´Д` )
ネット上のあなたの名前ですよ♪(´ε` )ってのはダメ??
口座番号派
うちのおじいちゃんには銀行の口座番号と暗証番号みたいなもんって説明したら納得してた(笑)アカウント持つと銀行使えるでしょって。
ゆうちょ銀行の口座番号!
診察券派
保険証と診察券は?
その他…
銭湯の下駄箱じゃちょっとズレ過ぎでしょうかw好きな番号(アカウント)取って下足札(パスワード)で管理。
回答をくださった皆さん、ありがとうございました!
ちなみに私も以前、口座番号に例えて説明をしたことがあったのですが、
「銀行の口座は家に帰らないとわからないんだよねぇ」と
別の混乱を招いてしまったことがありました(笑)
まとめ
特にシニア層やネット初心者が使うことの多いサービスを展開する場合、
次のような点をケアしておきましょう。
- アカウント登録をしなくても、最低限の目的が達成できるようにしておく
- フォームやボタンの表記には、「○○アカウント」とサービス名を添える
- アカウントという言葉は馴染みが薄いので、「会員」等の方がベター
また前述の様子から考えると、最近広まっている「OpenID」への対応は、
意外とこうしたシニア層や初心者への対策としても有効だと思われます。
※アカウントの説明方法について、もし他にもよいアイデアがありましたら
ぜひFacebook、Twitter、はてブ等で教えてください!