画像参照:Flickr

マミオンでシニア層のユーザーテストを行っている際によく目撃するのが、「探している情報がなかなか見つからず困っている」という場面です。

人によりその時の対応は様々ですが、今回は、シニア層がサイトで探している情報が見つからなかったときにどういった行動をとることが多いのか、そしてその対策としてどういう手を打っておけばよいのかについてご紹介したいと思います。

 

シニアユーザーの3割が、Yahooに戻って探している

マミオンでは2013年10月中旬に、60歳以上のネットユーザー(N=100)を対象とした「インターネットの利用に関する簡易調査」を行い、以下の質問をしてみました。

【調査概要】
 ・調査方法:ネットアンケート
 ・調査期間:2013年10月23日(1日間)
 ・調査対象:60歳以上の男女
 ・有効回答:100人(男性74人、女性26人)

Q. 探しているもの(商品、情報、手続き方法など)がすぐに見つからないとき、探すのをあきらめてしまう前にあなたが試してみる行動をすべて教えてください

こちらが結果のグラフです。回答の選択肢は、普段のユーザーテストでよく見られる行動を基に作成しています。

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以下、ここで挙げられた行動を3つのパターンに分けて見ていきたいと思います。

 

パターンⅠ.サイト"外"で再検索する

回答の1位は、意外にも「Yahoo等に戻って検索しなおす」で、およそ3割の人が行っているようでした。

特にネット初心者の方に多いのが、ブラウザの戻るボタンを連打または一度ブラウザを閉じて立ち上げ直したあと、Yahooなどの検索サイトでキーワードを変更したり追加したりして再検索する行動です。

サイト内の問題なのにも関わらず、一度外に出て、自分が慣れ親しんだYahooに頼るというこの行動。実はシニアのネット利用行動の特徴の一つに、【「サイト」という単位を意識していない】ことが挙げられます。そのため、サイト内に限定して検索するという意味がよくわかっていない人が多いのです。

この対策としては、Yahooで「〇〇〇(サイト名) △△△(探しているもの)」とキーワードを追加して検索した際に、それに適したページがちゃんと検索結果の1位に出るかどうか確認しておくことです。このときに、前と変わらずサイトのトップページが1位に出てきてしまうと、ユーザーの期待を大きく裏切り、さらに迷わせることになります。

 

パターンⅡ.サイト内で自分で何とかしてしまう

アンケート結果の2位から4位までは、「サイト内で自分で何とかする」行動が占めています。

このうちシニア層の行動として特徴的だと感じるのは、「よくある質問」や「サイトマップ」の支持が高いことです。「わからないことがあった時には、ここを見ればいいんだ」という認識をいくぶんか持っているようです。この両ページが支持される理由としては、どちらも非常にシンプルなデザインであることが多く、書いてある項目を上から順番に見ていけばよいという点が考えられます。

一方で「ヘルプ」の支持はあまり高くなく、「よくある質問」や「サイトマップ」の方が頼りにされていることがわかります。通常の「よくある質問」ページはサービス内容についての記述がメインですが、こうしてヘルプ代わりに利用されることもあるので注意しましょう。そして「サイトマップ」からの遷移先は見つけにくいページである可能性が高いので、こちらも定期的にチェックしておくことをおすすめします。

またこうした「ファンクションナビゲーション」の類ですが、できればファーストビュー右上の「定位置」に置くのがベストです。

 

パターンⅢ.身の周りの人に聞く

5位以下は間が少し空き、「他人に聞く」行動がやっと出てきます。

近くに詳しい人がいれば直接対面で聞けるのですが、そうした環境がない人は、メールや電話での問い合わせをすることになります。

最近では、サイトのヘッダーに電話番号を大きく記載しているところも増えてきましたが、アンケート結果を見ると、実はその倍の人数がメールでの問い合わせを望んでいるのです。せっかく電話番号を掲載しているのに、メールやフォームでの問い合わせ口がわかりにくいサイトは結構多いように思います。こちらも気を抜かずに対応しておきたいですね。

 

女性は人に聞く、男性は自分で何とかする

余談ですが、先ほどのアンケート結果を、男女別に集計してみた結果が以下のグラフです。今回は男性と女性の回答者数が違うため、各性別ごとに割合を再計算しています。

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特徴的なのは、「検索する」行動は男性によく見られ、「直接人に聞く」行動は女性によく見られるという傾向です。一般的に、女性は男性よりもコミュニケーションを重要視していると言われますが、それがサイトの利用方法にも表れているように思います。

 

サイト制作者は、どうがんばっても初心者目線になれないから…

今回の調査結果は、回答の1位が「Yahooに戻って検索する」というサイト制作者にとってはショッキングなものでしたが、一方で自分で何とか解決しようと奮闘するシニアユーザーの姿も垣間見ることができました。

サイトを知り尽くした制作者自身には、なかなかこうした初心者目線から課題を見つけることが難しいので、制作の際には「ユーザーテスト」をうまく活用することをオススメします。

マミオンではネット初心者によるテストを得意としていますので、ぜひご相談ください。

 

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