今年に入ってから、シニア層、中高年層の方々を中心に
「Facebook教えてもらいたいんだけど…」という生徒さんが増えました。
こうした人気を受け、ちょうど先日も教室で
「超初心者のためのFacebook講座」まで開催したほどです。
そしてちょうど時期を同じくして、とうとう国産SNSである『mixi』のユーザー数を、
Facebookが超えたという以下のようなニュースも入ってきました。
【参考記事】
・TECH SE7EN : Facebookがmixiの月間ログインユーザー数を逆転!
今回は、こうしてFacebookがmixiを逆転した要因について、
シニア層、中高年層に焦点を当てて考えてみたいと思います。
"ローカルSNSキラー"としてのFacebook
思えば2年半ほど前、Facebookの利用率が1%程度で、まだまだ「外来の黒船」扱いだったころは、「Facebookは実名制なので日本では成功しない」「登録はしたが使い方が分からない」という声も多く聞かれました。
【参考記事】
・Googleの時代は終わるのか? mixi vs Facebookで始まる「ソーシャル戦争」の行方とは――ループス斉藤氏に聞く - デジタル - 日経トレンディネット
しかしその後、2010年10月ごろの有名ブロガーによる一斉ステマ(?)騒動、2011年初頭の映画『ソーシャルネットワーク』の公開を経て、様々なメディアに取り上げられながら急激な成長を続けていきます。
結局、下記の記事にあるように、ティッピングポイントを超えていたFacebookはその思惑通り、鮮やかにローカルSNSを逆転してしまったのでした。
【参考記事】
・FacebookがローカルSNSを逆転する時:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ
ちなみにGoogle Trend for Websiteで調べた両者の最新のユーザー数はご覧の通りです。青線がfacebook.com、赤線がmixi.jpです。
2010年の時点では大きな差があったものの、2011年10月の時点で既に逆転が起こり、今では倍以上の差がついていることが見てとれます。
Facebookは「おっさん」のSNS?
Facebookの普及に関して、少し前にはこうした記事も話題になりました。
つまり、日本のFacebookは、極論では「東京に住んでるおっさんのSNS」ということになってしまいました。
なるほど、確かに実感とも合致すると思います。
こちらについて、もう少し詳しくデータを見ながら確かめてみます。
Facebookは上の年代ほど強さを増す
今回検証に用いたデータは、セルフ式ネットアンケートサービス『Fastask』の自主調査を参照しています。
・調査手法:ネットアンケート
・調査時期:2012年7月
・対象人数:2200名(性年代100名ずつ均等割り付け)
その中から、各主要SNSについて「現在利用している」という回答を、年代別に集計しなおしてみました。
男性編がこちらです。
グラフを見ると、Facebookはどの年代でも利用率40%前後をキープしており、mixi利用率を常に上回っているのがわかります。
また図中の「F/m比」というのは、mixi利用率に対するFacebook利用率の比を算出したものですが、これが男性の45歳から急激に上がっています。mixiの利用率がその年代から下がってしまっているのが原因です。
つまり、「おっさんには受け入れがたいmixi」と、「おっさんでも仲間に入れるFacebook」という構図が見て取れます。ちなみにTwitterの方も中高年から受け入れられている様子がわかります。
そして女性編がこちら。
こちらは、10-20代とそれ以降の年代間とで利用率のギャップがあるように見えます。
40代以降のmixi利用率は男性と同様に低くなっていますが、違うのはFacebookの利用率も同じように下がっているところです。そのため、F/m比も比較的小さく抑えられています。
しかしそれも50代後半に差し掛かると、やはりFacebookの「粘り腰」が目立つようになり、年代が上がるにつれてmixiとの差が開いていきます。
ちなみに、こちらの調査はネットアンケートなので、特に中高年のデータにはITリテラシのバイアスがかかっていると考えられます。しかし、サービス間の比較検討をする分においては熟考に値するデータだと思われます。
どうやったら、中高年ユーザーを獲得できるのか?
今回の検証で、Facebookは確かにシニア層、中高年層からの支持が高いことがわかりました。特に男性の45歳以降、女性の55歳以降は、ローカルSNSであるmixiが苦戦しているにも関わらず、受け入れられているのです。
こうして見ると、mixiが達成できなかった「中高年ユーザーの獲得」が、シェア逆転のキーの一つとして考えられるのではないでしょうか。
では、こうした層はどうやったら獲得できるのか?
私が教室で感じているのは、何と言っても「オフラインメディアへの露出」です。
教室にいらっしゃる皆さんは、今もテレビが主な情報源です。
新聞も毎日隅々まで読んでいます。
「最近ニュースでよく聞くね」「新聞で特集されてたやつかい?」
こうしたところからじわじわと興味の下地が熟成され、あるときに知り合いから誘われるなどして背中をポンと押されると使い始めるのです。
ですので、1年半前のFacebookの映画公開に基づく露出の拡大は、中高年向けに非常に効果的なプロモーションだったのではと思います。
これからのサービスは、中高年を取り込めるかが成否のカギになる
今後、ますます社会の高齢化は進行していきます。すでに消費の45%は60歳以上によるという発表もされています。
【参考記事】
・最近の国内シニアマーケットの動向あれこれ | マミオン有限会社
こうした中、これからスタートする様々なサービスが、ネットに詳しい若者だけで流行って終わるのか、広く一般に使われるものになるのか。その分かれ目の一つは、「シニア層、中高年層にも安心して使ってもらえるかどうか?」という点なのではと感じています。
ここに関しては、以前も関連した記事を書いていますのでぜひどうぞ。
オカン世代のユーザーテスト、ユーザー調査については、教室で毎日接しているマミオンにぜひご相談ください!