先日、とあるシニア女性の生徒さんが、
「昨日テレビでやってた『ワケあり明太子』を買いたいんだけど、私でもできる?」
と相談してくださいました。
パソコン教室に通われる生徒さんは、だいたいWordやExcelの練習から入ります。
個人的には、そこからインターネットにジャンプしてほしいと思っているのですが、
実際は「難しそうだからいいよ」「何すればいいの?」と言われてしまうことが多く、
なかなか理想通りにことは進まない毎日です。
そんな状況での、冒頭のお話。
嬉しいじゃないですか。
もちろん、これが初めてのネットショッピングなので、
はりきってお手伝いしました。
「私でも無事に買えた!」
Yahooで「ワケあり商品」と検索して、出てきたのが『ぐるなび食市場』。
生徒さんは「ああ、これこれ」と言いながら
ちょうどニュースで話題になっていた商品を見つけました。
いわゆる楽天メソッド的なページを順々に下にスクロールし、
商品を買い物かごに入れ、「会員登録せずに購入」ボタンを押し、
名前と住所を苦労しながら入力し、メルマガの購読チェックを外し…。
ここで一番困ったのが、「メールアドレス」の入力です。
その方は携帯のメールは使っているものの、PCのアドレスは持っていなかったので
私のアドレスを代わりに使ってもらいました。
「私でも無事に買えた!届くのが楽しみね!」と意気揚々と帰って行かれ、
ああ、よかったなと、思っていたのに、問題はそこから…。
なんでこんなにメールマガジンが届くの?
翌朝、私のメールボックスには、ぐるなびから6通のメルマガが届いていました。
「え?昨日はメルマガの購読チェック全部外したよな?20個もあったけど」
そのときは気付かなかったのですが、
実は下のように4種類のメルマガは断ることができなかったのでした。
そして面倒なことに、今回は会員登録せずに購入していたので、
メルマガ管理を一括で行うことができず、
一つ一つ解除していくしかありませんでした。
仕方ないので、一つずつ解除作業をやっていると、
最後の「タイムポイント」メールの解除画面が曲者でした。
メールの解除アドレスをクリックした最初の画面がこちら。
半日で2通も送ってくるなと「頻度が高すぎる」を選ぶと、次の画面に進みます。
この画面、皆さんはどう思いますか?
私は、メールで嫌な思いをして解除作業まで要求されている最中なのに、
ここでも何か買ってくれるんじゃないかと商品をプッシュされ、
「バカにするな」という感覚になりました。
あれだけネットショッピングを楽しみにしていた生徒さん、
もし自分1人でやり、最初からチェックの入っていたメールまで全部来ていたら、
あまりのメールの多さと、こうした解除時の品の無い対応で、
二度と「ネットで買おう」と思わなくなってしまうのではないでしょうか。
数字が上がりさえすればいいの?
先日のIMJの調査でも発表されたように、
シニアのネットユーザーはメルマガの利用率が高く、
それ自体はうまく活用すれば非常に有効なツールだと思います。
しかし、今回はさすがに度が過ぎると言わざるを得ません。
・デフォルトでチェックが入っているメルマガの数が多すぎること(20以上)
・断れないメルマガが4つもあり、気付きにくい書き方をされていたこと
・1つのメルマガにおける発行頻度が高すぎること(半日で2通)
・すっきり気持ちよく解除させてもらえなかったこと
一時期、ノマドワーカーelm200さんも、楽天のメルマガに対して苦言を呈していました。
楽天関係者がいたら本当に猛省してほしいんだけど、楽天はメール送り付け過ぎ。まともな上場企業がやることじゃない。いくら法令遵守上問題がなくてもこれは事実上スパムと同じ。だからアマゾンの足下にも及ばないんだよ。三木谷さんは英語公用語化以前にこういう基本をしっかりやってほしい。
— Eiji Sakaiさん (@elm200) 4月 28, 2012
おそらくほとんどの方が同じように思われているのに一向に減らない理由は、
やはり「出せば出すほど売れる」からなんでしょう。
有無を言わさずメールを送って読者を増やす。
そして解約画面にひと工夫して、解約率が減れば万々歳と。
でも、数字が上がれば本当にそれでよいのでしょうか?
実は上がった数値というのは、
前述した「イライラ」や「ガッカリ」、「面倒」「怖い」という
ネガティブな感情と引き換えに得られていたのかもしれません。
初めての人を、業界全体で優しく迎え入れよう
ただ、先日のシニアのネットショッピング利用率を見てもわかるように、
まだまだこのセグメントは拡大していくものと考えられます。
そういう方々が市場に参加されるのを拒まないように、
最低限、以下のようなマナーは守ってほしいと願うばかりです。
・メルマガは、希望する場合にのみチェックを入れるオプトイン方式にする
・メルマガを送る頻度はできれば明示し、自分が嫌にならない程度に抑える
・不必要なメルマガは、スムースに解除できるようにする
特にシニアの方々がネットを使って気持ちよく買い物や生活を楽しめる社会、
マミオンが目指したいのはそういうところです。
今後も、そのためのパソコン教室であり、ブログでありたいと思っています。