人は「先送りしたい」動物である。
少しでも面倒だと、「明日できることは今日しない」となる。
そして、先送りされていき、忘れられる。
購入するということも、同じこと。
「面倒くさい」ことは先送りされやすい。
このような「購入への躊躇」を消費行動のハードルと呼ぶ。
少しでも、購入へのハードルがあると人は購入を先送りしてしまう。
今日は購入へのハードルの中身と、それを下げる要因について記していく。
ハードルを高くするのは「アクション」と「努力」
なにか「行動を起こすこと」は徐々にハードルを高めます。
例えば、お店に行くこと。「あー、また今度でいいか」
例えば、電話をしたのにつながらないこと「ま、いっか」
ネットで入力「あ、めんどくさいな、また次に一緒に何か買うときにしよう」
そういう、細かな「面倒くささ」が積み重ねると行動する気が失せてしまう。
「面倒」の例
・店に行く
・入力する
・電話する
・返信する
複雑そうに見える、購入や利用に努力が要りそうなものもハードルが上がる。
例えば、ネットで申し込み方法が複雑そうだったり
同じような型番がたくさんあり、どれを選んでいいのか解らないときには
「また今度ねー」となってしまう。
努力がいる行動の例
・商品を探す、比較する、じっくり検討する
・手続きをどう踏めばいいのか考える
・クリックしたらどのようなアクションが起きるのかを推測する
・使い方を考える
これらのようなことはハードルをぐんぐん高くする。
ハードルを下げるのは「時限&強制」と「妄想力」
購入の動機になるのは、エコポイントに見られる時限的な特典があるものが挙げられる。
家計調査を見ていても、国からの補助金がある場合には購入が突発的に高くなる。
次いで購入の動機になるのが「強制力」。
仕事や転職などでやらざるを得ない、買わざるを得ないなど「強制」が消費に向かわせる。
時限&強制の例
・今買えばポイントがつく
・今買わないと補助が下りない
・やらざるを得ない
・ないとできない
・どうしても必要
購入モチベーションを上げるのは「妄想力」。
やらなくちゃ、というネガティブな気持ちで?購入ハードルを下げる一方、
とても幸せな感じの購入モチベーションを上げるのが「妄想力」。
これを持っている私ってカッコイイ
これを使ってこんな私になりたいの(きらきら)
人から見られたらこう見えるだろうなあという妄想
(実際そう思われているかどうかは神のみぞ知る)
その他、「あの人と目が合っちゃった!ラブ!」的妄想も含め
(知人・空想問わず)妄想上の第3者を思い浮かべ
(本人にとっては想像ですが、他人から見たら妄想に見える)
購入行動に走る。
妄想力消費の例
・大好き
・みんな持ってる
・持っているとかっこいい
・持っていないとかっこ悪い
・話題である
自社のハードルの高さを知ろう!
もし、自社商品がハードルがどうしても高い商品であれば、
ハードルを低く見せる努力や、
ハードルの周辺にゆるやかな階段を作ったりすることでハードルの高さを感じさせないこと、
そして、さらに、ハードルを下げるためのポイントをどんどん推していくことが必要である。
シニア層は若い人に比べてハードルが高くなりやすく、伸びやすいので
妄想力を鍛えたキャッチや商品力、見せ方が必要になってくる。