日本と世界の高齢者比較 悩みや生きがい、生活の満足度に関する調査

今回は日本と他の国の高齢者について、生活するうえでの悩みや生きがい、満足度といった面での比較を行った。データはまた平成22年 第7回 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果から拝借している。
 

■悩みやストレスの有無

上のグラフは悩みやストレスの有無に関するグラフである。日本の高齢者で悩み・ストレスがあると回答した人は比較的少なく、スウェーデンに次ぐ順位だった。
 

■悩みやストレスの内容

こちらは悩みやストレスの内容に関する回答結果である。例えばアメリカの高齢者は多くの項目で回答率が高く、様々な面で問題を抱えていると言える。
反面、日本の高齢者は回答率が低く収まっており、抱えている悩みの数は少ないと言えそうだ。
 

■生きがいを感じるとき

このグラフは、どのような時に生きがいを感じるか、についての結果である。日本と比べてスウェーデンやアメリカの高齢者はより多くの場面で生きがいを感じると回答している。

特にスウェーデンと比較した場合、以下の項目で日本との差が30%以上もあった。(グラフ内の黒実線囲み部分)
・夫婦団らんのとき
・家族との団らんのとき
・友人・知人と食事、雑談するとき
・他人から感謝されたとき
・若い世代と交流しているとき

以下の項目もまた、日本との差が20%以上30%未満と大きく差がついていた。(グラフ内の黒破線囲み部分)
・社会奉仕や地域活動をするとき
・美味しいものを食べているとき

これらの大きな差がついた項目は、ほとんどが人との交流に関するものである。
 

■生活の総合満足度

このグラフは、生活の総合満足度について比較である。

グラフにおける「満足している」との回答(赤色)は、アメリカ・ドイツ・スウェーデンで高く、日本と韓国で低い。またこれは一つ上のグラフと形状が良く似ていることが分かる。
 

■まとめ
この記事では世界の高齢者を「悩み・ストレスのレベル」「生きがい」「総合満足度」という3つの軸で見てきた。特にスウェーデン、アメリカ、日本ではそれぞれ以下のような結果となった。

スウェーデン
悩みやストレスが非常に少なく、生きがいを感じる面も最も多いという結果になった。そして総合的に満足度が高くなっていた。

アメリカ
悩みやストレスを感じる面が多かったが、逆に生きがいを感じる面もとても多く、総合的に満足度がスウェーデンと同じくらい高いという結果となった。

日本
悩みやストレスは少なく収まっていたが、その反面生きがいを感じる面は少なかった。総合的な満足度では「まあ満足している」が多くを占め、それなりの結果であった。

以上の結果から考えると、総合的に満足するかどうかは、悩みやストレスの少なさよりも、むしろ生きがいを感じるかどうかに大きく関わると考えられるだろう。悩みはないに越したことはないが、それだけでは物足りない、ということだ。
 

■データソース
平成22年 第7回 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果
調査対象者:日本、アメリカ、韓国、ドイツ、スウェーデンの5か国の60歳以上の男女個人(施設入居者を除く)

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