「すみません、クリックできないんですけど」こういう質問をよく受けます。
クリックができないんじゃない、クリックできない場所をクリックしようとしているんだ、そんな単純なことを伝えるのは難しい。「指マークになったらクリック。そうすれば次のページにいけます」何度、この言葉を言ったことでしょう。みんな、頭ではわかっているのです。だからこそ、指マークにならない理由がわからない。
自分が見たい情報が指マークに変わらないということは、つまり、企業側のエスコート(※サイト内誘導、デートのときのデートコースを作るようなものです。)が消費者の行動を考えていないという結論に達します。なぜって?
セブンイレブンを考えていただきたい。陳列の棚、店のつくり、すべてが消費者が買いやすい、ついで買いをそそるつくりになっています。平均客単価が他社よりも高いというのに頷けます。しかし、多くのサイトでは、中高年の皆さんは入った瞬間に迷って、ほしい情報も得られずに、そして、中身を見るチャンス与えずに店の外に出てしまう。それでは、どういうときに人々が惑いやすいのか検討してみましょう。
□心惑わせるリンク事例集
★下線がない惑わせ
通常時はリンク先の下線が見えていない。マウスポインタを当てると、下線が出てくるタイプ。大体の方は一瞬固まってマウスポインタをひたすら動かし、指のマークになったところをクリックするか、もしくは自分の思う文言の上でひたすらクリックをしまくる。「私がクリックする場所で指マークにならないのですけど」
★画像からリンクできない惑わせ
デパートで試食をしようと触ったら、なんと展示品だった。そんな心境に似ている。クリックしたら他のページに飛んでいきそうなのに、クリックできないのは、なんだかもどかしい。
★普通の文字に下線が引いてある惑わせ
重要な情報に下線が引いてあるサイトはいくつもあるが、シニア層はその上で一生懸命クリックする。「だって、下線があるのに?」
★リンクが張ってあるところとリンク先が違う惑わせ
○×と書いてあるところをクリックすると同様の他の項目に飛んでいき、的確な情報を得ることができない。プロバイダなどに多い。『お問い合わせはここをクリック』と書いてある上でクリックすると「よくあるお問い合わせ」のページに飛んだり、思わぬページに飛ぶときに惑わされる。
★ポインタを当てると動き出す惑わせ
Flashを利用しているサイトで惑わされる。マウスポインタを当てると周りが動いたり、そのメニューそのものが動いてしまうので、メニューを追いかけるのに必死になってしまい、クリックできない。
このような事例が起こると大半の方は「クリックできなーい!難しい!」と思われてしまいます。ウェブユーザビリティとは、見た目のデザインだけではありません。解りやすい、クリックの先(私たちはこれをエスコートと呼んでいますが)に誘導してあげる必要があります。