先日、マンツーマンレッスンを受講された中高年女性。
「送られてきたエクセルが開けなくて困っているの!」とのご相談でした。
ご自身のMacをお持ち込みになったのですが、その機種は2006年に購入したという『iBook G4』で、OSのバージョンは10.4という4世代も前のものでした。
Officeがインストールされていなかったので探してみたところ、このMac OS 10.4には『Office 2004 for Mac』までしかインストールできないことが判明。Microsoftのダウンロード販売は最新の『2011』しか提供されておらず、動かせるエクセルが入手できないという状況でした。
今回は『Open Office』が10.4にギリギリ対応していたため、何とかファイルを開くことはできましたが、今から7年前のパソコンのために9年前のソフトを探すというニーズがまだまだあるんだなと実感しました。
高齢者はパソコンの買い替え期間が長い
こちらのグラフは、内閣府の「消費動向調査」より、平成17年から25年までの性年代別のパソコン使用年数(買い替え年数)推移を表したものです。
まず男性に目を向けてみると、29歳以下の若い人では3年程度でほぼ横ばいですが、30-59歳では4年から5年へと1年ほど増加、そして60歳以上では4年から6年へと2年も増加しています。
女性の方は、29歳以下では一度増加したものの最新のデータでは2.5年と最小の値です。30-59歳では5年程度で横ばい、60歳以上では3年強から7年へと倍増しています。
総じて、数年前までは年代間にそれほど大きな差がなかったものが、年を経るごとにその差が大きくなってきていると見ることができるのではないでしょうか。
この理由としては、若い人の利用シーンでは、音楽や写真、動画などのリッチコンテンツを扱うのに伴ったパソコンのスペックアップが要求されてきているのに対し、高齢者の利用シーンでは、メール、簡単な検索、はがき作成など、特に高いスペックを必要としないものが主流という違いがあるのではと考えられます。
これは、パソコン教室に通われる高齢者の方々のおよそ3割が「Windows XP」をお使いだという状況とも合致します。前述の7年前のMacをお持込みの中高年女性も、最初は随分長く使っているなと思いましたが、統計結果と合わせてみるとちょうど女性60歳以上の買い替えタイミングとピッタリだいうことになります。
「新しいもの」ではなく、「使い続けるために必要なもの」を
マミオンではシニアビジネスのご相談をよくいただきますが、多くの場合、シニアのために「新しいもの」を用意しようと考えてしまいがちです。
しかし、はたして本当に、そういった「新しいもの」が必要とされているのでしょうか?
実際、シニア層のヒアリング調査をしていると、「今の満足している現状を崩したくない、続けたい」という意見をよくうかがいます。
こんなとき、「今まで使い続けてきたものを、これからも使い続けられるようにする」、または「今までの資産を有効活用してもらう」というアプローチは、シニアビジネスの一つの方向性として有用なのではと感じています。
マミオンでは、シニアビジネスに関するご相談、コンサルティング、調査のご依頼を承っておりますので、ぜひこちらからご連絡ください。