シニアと入力フォーム、記入申込用紙の話

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シニア層でなくとも、入力フォームや申込書に記入というのは面倒くさいものだ。

私自身、色々なウェブサービスに登録しているが、色々入力しなくてはいけないサービスの時には登録が面倒くさくなり、必要度合いに応じて操作をやめることがある。
どうしても利用が必要であれば入力するし、必要度が高くなければ「いつ登録しよう」と思ってブックマークする。
そして、そのまま忘れてしまったりもする。そういうブックマークが溜まり、年に1回処分する。

紙の申込書も同様だ。
見た瞬間、面倒くさそうかつ、重要度が低そうな申込用紙は、明日書こう、明日書こうとそのまま〆切を迎える。(そして出さない←反省)
相手にとっても必要だったら、きっと提出を促される。それまで出すのをやめてしまおう。
もちろん、必要なものは提出する。もし、まちがっていたらきっと不備で返ってくる。
記入があまり考えなくていいものについては、早く処理したいので、素早く書いて直ぐに返送する。

そういう大雑把なのは私だけかと思いきや、先日、記入式申込書のユーザーテストを行ったところ同じようなご意見がシニアから発せられた。(私もシニアの仲間入りかもしれないが)

「紙の申込書を書くときは基本対面じゃなくちゃやらない。間違ったら面倒だから」
「ダメだったら向こうから言ってくるから別にいいよ」
「ウェブで申し込み中に解らなくなったら電話が一番だよね!」
「面倒くさくなったら申し込まない」

そういうものなのだ。
もちろん、丁寧な人も多い。〆切をきちんと守る人もたくさんいる。

しかし、年齢を重ねるにしたがって、入力フォームや申込用紙の文字を見るのも面倒になり
どんどん先延ばしにしていく、または、頑張って入力しても間違えが増える傾向があるように見える。

今回は、先日のユーザーテストから得られた
入力フォーム・記入フォームかくあるべし、という原則についてメモをしておく。

購買者の情熱を失わせない・先延ばしにさせないことを意識

これは弊社有するパソコン教室内での会話だが、
スタッフとお客様がとある商品について盛り上がっており、それはどこで買えるのか?という話になった。

「ネットで買えます」と案内したところ「amazonでも買える?」と。
「多分、、私は違うところで買いましたが」とスタッフ。
すると、ご年配のお客様は「新しいところで買うと、色々入力しなくちゃいけないし、面倒くさいのよね」と一言。

入力すること、記入することは、面倒くさい。
老眼鏡を取り出さなくてはいけないし、字は小さいし。
しかし、それ以上にその商品を欲しいのである。それは、情熱である。

つまり、入力フォームや申込用紙が目の前に存在している状態とは、そこまで情熱が保たれているということなのである。

だが、万が一、それが「面倒くさそうな」入力フォームだったり、申込用紙だったりした場合、そして、その情熱が「面倒くささ」によって溶けてしまった場合、「ま、今はちょっとバタバタしてるし、明日でもいいか」になり、「明後日でもいいか」「そしていつか」になってしまうのである。

だからこそ、申込用紙・入力フォームの見た目はとても重要だ。
面倒くさいと思ったらすぐに後回しにされる。

入力が「面倒くさそう」と思われたら、そのページでの「買いたい」情熱は目減りする。
もし、かご落ちが多いならば、見た目の面倒くささが無いか見直した方がいい。

申込用紙も、入力フォームもシンプルに、考えなくても=自分の知っている知識の範囲内で無理なくすぐに記入できそうかどうか、そこがまず第一の関門である。

自分の知識で入力・記入ができる

申込用紙のユーザーテストをやっていて、驚いたのはこの部分である。
周りにある説明は一切読まない。
「文字の大きさが問題か」ということもあったが、そうではない。

人は、読まない。

「こういうのね、大体大丈夫」と、書き進める。
内容があっている(つまり制作者の意図に沿っている)かどうかは別問題である。

迷ったら、その周辺を見る。
たとえ、申込用紙のトップの部分にたくさん注意事項が書いてあっても、「それは自分の問題ではない」と認識する。だから、読まない。

そして、「こういうのはね、読まなくていいって思う。保険の約款みたいに、読んでも仕方ないことが書いてあるイメージ。」
それが記入上の注意であってもだ。文字が並んであるだけで「約款」扱いになる。
何度繰り返し注意書きがあっても、見なくていいと判断されたものは、目に入らない。
(本当は約款は読むべきものですが。)

以下はその時の私が自分の手帳に書いたメモ。

「大切なことは何度も言いたくなるが、何度も言われていると聞き流したり、読み流したりして伝わらないということ。いずれにせよ、相手にとって大切じゃなければ、自分にとって大切なことはまったく伝わらない。」

なので、注意書きが無くとも、なるべくユーザーが持っている今までの知見(つまり、できるだけ一般的に使われている項目で)で目的が達成できることが重要なのである。特に紙の申込用紙。

ウェブであれば、共通の知見があまりない。
そういう時はとにかく記入例は該当フォームの近くに置く。
困った時はその近くしか見ない。ましてや、ページトップには戻らない。

ページトップを読んでから入力しないの?と思われるかもしれないが、
まあ、読まれない。目を通しているかもしれないが、読んでいないし、覚えていない。

不備はどこが不備なのかをしっかり連絡!そしてフォローも

「困ったら 助けてもらおう ホトトギス」

たいてい、困った時には誰かが助けてくれる。
それは、夫だったり、子どもだったり、サポートセンターだったり、私だったり。

しかし、自力でやりたくなるほど「今欲しい!」があり、かつ、入力・記入に不備があった場合。

・ウェブであれば、まずはエラーがどこなのか解りやすくすることが必要だ。
トップにまとめて書くなど論外、次のページで表示されてその場で直せないのもダメ。
間違っているところがありますと表示もされず、元の画面に戻らせて
「なんかおかしい、前に進まない」とユーザーから台詞が出てくるのもダメ。
と、色々改善できるポイントがある。

・申込記入用紙の場合は、不備がその場では見つからない。
そのため、最大のフォローが「解らないときに電話してもらうこと」になる。
電話番号、営業時間は大きく書くことが必要。

「前に進まないせいで情熱を削がれた」ということだけは避けたい。

制作者は覚悟する。人は間違える、間違えることを責めてはいけない。

教えていて思うのが、「人は間違える」。
いや、間違えるという言葉すら間違っているのかもしれない。

人は、制作者の思惑通りには動かない。というのが正しい。
制作者にとっては間違いだが、ユーザーは「私は正しい」と思っていることが多い。
だから、そこに溝が生じる。

制作者はユーザーがもっと考えてくれることを期待するし、
ユーザーは、使った後に得られるものが欲しいだけであり、手続きや申込に情熱を感じない。
(反対に、「商品が手に入れられるかなんか興味ないっ!このカートを使いこなしたいっ!」という人がいたら微妙。)

だから、間違えてもしょうがないのだ。
そして、読まない限り、自分のルールでやろうとする人が多い限り、間違えられても仕方ないのだ。
制作者は、そこを覚悟しなくちゃいけない。

「なんでユーザーは間違えるんだ!」「何でよく読まないんだ!」なんてゆめゆめ思ってはいけない。

とにかく、間違いやすいポイントを探しだし、間違いを軽減させ、ストレスを溜めこまさない入力フォームや申込用紙への改善が必要なのだ。