今回は、海外のユーザビリティ関連記事をご紹介します。
3 Things Every Ecommerce Business Should User Test(Usabilla.com)
こちらの記事では、ECサイトのコンバージョン率や売上をアップさせるために、サイトオーナーが特に確認しておくべき3つのポイントが紹介されています。今回から3回に分けて、その内容を1つずつ翻訳し、コメントとともにご紹介していきたいと思います。(掲載元承認済み)
<以下、翻訳して引用>
1.支払いプロセス
あなたのECサイトにおける一連の支払いプロセスは、最も優先順位の高いところにあるべきです。支払いプロセスが素早く簡単に済ませられれば、あなたの顧客はハッピーになり、売上も上がるでしょう。あなたは「カート放棄率(カゴ落ち率)」が【66%】以上もあるということをご存知ですか?
こちらのグラフは、人々がカートを放棄してしまう14項目の理由です。
画像参照:Shopify
上記14項目のうちの8つは、適切なユーザーテストを行うことで解決することができます。
・予想外の代金がかかることがわかった
・サイトのナビゲーションが複雑すぎる
・サイトがクラッシュした
・支払いプロセスが長すぎる
・過剰なセキュリティチェック
・セキュリティの心配
・時間切れ(セッションタイムアウト)
・外国の通貨で表示されている
訪問者の声を聞き、彼らのニーズにしっかりと目を向ければ、これらの問題の多くは簡単に潰すことができます。ではユーザーテストを通して、彼らにどうやって確認すればよいのでしょうか?
私たちは彼らがクレジットカードでの支払いを拒否されることまでは防ぐことはできませんが、スムースな支払いプロセスを用意することは可能です。
根本的な問題にたどりつくために、次にあげる質問をユーザーテストの際に聞いてみましょう。
・最終的にかかる代金は、あなたが事前に予想していたものでしたか?
・このサイトは、重いと感じませんでしたか?
・支払いプロセスは長いと思いませんでしたか?
・個人情報を入力する際は安全安心だと思いましたか?
・サイトがクラッシュしたり時間切れになったりしませんでしたか?
・支払い通貨は期待していた通りでしたか?
こちらの画像は、よく最適化された支払いプロセスの例です。
クロックスの支払いページは、良い点がたくさんあります。ステップ数が書いてあったり、ライブチャットが用意されていたり。サイトの読み込みも早く、クラッシュもしませんでした。
社内でユーザビリティを確認する場合、自社の社員でテストしてしまうと、客観的な視点を持つことが難しくなります。例えば、サイトの動きが遅かった場合でも、同僚である彼は気を遣って、遅いと感じることは無かったと答えるかもしれません。
逆にあなたのサイトのユーザーや、初めてサイトを使う人たちに尋ねるようにすれば、より妥当で偏見のない意見をもらえるでしょう。これが支払いプロセスを効果的に改善するために必要な、客観的なフィードバックを得るよりよい方法なのです。
支払いプロセスのユーザビリティを改善することで、あなたはカート放棄率を下げ、コンバージョン率を上げることができます。
<翻訳引用ここまで>
補足と感想
今回の記事では、ショッピングカートの放棄率が【66%】と報じられていました。あらためて、かなり高い印象を受けますすね…。ちなみに2008年の別の調査でも、【59%】という数値が出ているようです。
コンバージョン率2.8%、カート放棄率59% - この平均データをどう活用するのか?(Web担当者Forum)
・コンバージョン率(総注文数/総訪問数)は2.8%
・カート放棄率は59%
・入口ページの直帰率は28%出所:Web担当者Forum
この放棄原因のうち、ユーザーテストで簡単につぶせる項目が半分以上あるというのは、とてもわかりやすく効果を説明しているなと感じました。各項目は当たり前といえば当たり前なものなのですが、実際に回答した人がこれだけいるということは、実は多くのサイト制作者側が「対応した気になっている」だけなのかもしれません。
またユーザーテストを行う際は、社内の人間ではどうしても遠慮がちになるので、客観的な意見を聞くためには外部の人でテストすることが欠かせないという点にも、非常に強く共感しました。またサイトを作った人は、そのサイトを知り過ぎてしまっているため、どう頑張っても初心者の気持ちになるというのは難しいんですよね。
もちろん社内の人間であっても、全くやらないよりはマシです。しかし、マミオンにご依頼をいただいて実際のユーザーでテストを行った場合、その予想外の行動や発言に驚かれる方はかなり多く、最後には「やっておいて本当によかった」という声をほぼ確実にいただいています。
あなたのサイトの支払いプロセスは、こうした客観的な意見を基にして、自信を持って対応していると言えるでしょうか…?
次回は、「2. 商品の説明」についてご紹介します。