「ネットアンケート」と「郵送アンケート」、どれだけ差があるか知っていますか?

「ネットアンケート」と「郵送アンケート」、どれだけ差があるか知っていますか?

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画像参照:Flickr

MMD研究所が2013年9月に行ったアンケート調査で、シニアのスマートフォン所有率に関する数値が発表されていました。

60歳以上のシニア層、約8割がインターネットを「よく利用する」と回答(MMD研究所)

docomo、au、SoftBankの3キャリアいずれかを利用しているシニア(N=530)を対象に、スマートフォンの所有率について調査したところ、23.2%がスマートフォンを所有していることがわかった。
(中略)2012年8月に行った調査結果の12.3%に比べ、10.9%の増加となっている。

出所:MMD研究所

これによると、シニアのスマホ所有率は【23.2%】とかなり高い数値が示されており、以下の関連した記事では、タイトルとして数値が独り歩きしてしまっています。

60歳以上のシニア層、スマホ所有率は23.2%……1年前からほぼ倍増(RBB TODAY)
シニア層のスマートフォン利用率、4分の1近くに(WirelessWire News)

 

しかし皆さんお気づきのように、この調査は「ネットアンケート」で行われているため、一般シニアの現状とはかなり差があるものと思われます。スマホに限らず、特にシニアのITに関するネットアンケート結果は、母集団のITリテラシの偏りを慎重に考慮して扱う必要があります。

そこで今回は前述のシニアのスマホ所有率を基にして、ネットアンケートなどのオンライン調査と、郵送アンケートなどのオフライン調査の間にどのくらいの乖離があるのかを、改めて確認してみたいと思います。

 

ネットアンケートに回答しているシニアは、全体のたった3%しかいない

こちらは、総務省の『通信利用動向調査』から「年代別インターネット利用率」を抽出してグラフ化したものです。この調査は「郵送アンケート」なので、一般シニアの現状にかなり近い結果として見てよいでしょう。

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出所:総務省|平成24年通信利用動向調査の結果(概要)

こちらの結果から、60歳以上全体のおよそ【45-50%】ほどの人がネットを利用していると見積もることができます。

 

次に同じ通信利用動向調査から、「年代別ネットアンケートサービスの利用率」を抽出してグラフ化してみました。こちらの割合は、ネットを利用している人全体が母数となっています。

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出所:総務省|平成24年通信利用動向調査の結果(概要)

60歳以上の利用率は、およそ【6%】です。他の年代に比べると、まだまだ低いことが見てとれますね。

 

ここで、60歳以上「全体」に対するネットアンケート利用率を考えてみると、【50%】×【6%】=【3%】という数値が出てきます。

ネットアンケートに回答するにはある程度のITリテラシが要求されますが、他の年代に比べて利用者の少ないシニア層では、特に大きな偏りが生じてきます。冒頭にご紹介したMMD研究所の調査結果で出てきた【23.2%】という数値も、こうした偏りのある母集団から抽出されたものだということを意識しなければなりません。

 

ネットアンケートと郵送アンケートでは、およそ5倍もの開きがある

では、実際の一般シニアにおけるスマートフォン所有率はどのくらいなのでしょうか?

こちらのグラフは、同じく通信動向調査において、インターネットの利用割合を端末別・年代別に示したものです。

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出所:総務省|平成24年通信利用動向調査の結果(概要)

ご覧のように、60歳以上では【3.7%】という数値が出ています。これは厳密に言えば端末の所有率ではないのですが、スマホをオフラインでのみ利用、もしくはネットを利用しているのにその意識がない人などが少数いることを見積もって、多くても【4-5%】前後が実際のスマートフォン所有率として考えられそうです。

 

ちなみに昨年行われた民間の郵送アンケートでは、60代のスマートフォン所有率は【5.6%】という結果も発表されています。所有率がさらに低くなる70代、80代の存在を考えると、先ほどの【4-5%】という数値は、なかなかよいところを突いているのではと思います。

スマートフォン普及動向調査(郵送調査)(株式会社D2C)

 

ネットアンケートだけでは、シニア市場を見誤る

今回試算した60歳以上全体のスマートフォン所有率【4-5%】というのは、私たちのパソコン教室にいらっしゃる”オフライン”な方々を合わせた実感とも近いように思います。

ネットアンケートは納期が短くコストも低いので、非常に便利な調査手段です。しかし、ことシニア市場に関しては、ネットアンケートだけに頼るのは非常に危険なことがおわかりいただけたでしょうか?

 

マミオンでは、教室で毎日接しているシニアの様子を考慮して、適切な調査のコーディネートをいたします。シニア市場に関する調査をお考えの際は、ぜひご相談ください

 

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