実例で納得!シニアが使えないサイトの例

パソコン教室でシニア層にインターネットの使い方を教えているときほど
「ああ、ここがもう少し改善されれば!」と吠えたくなる時がある。

「知りたい事」「申し込みたいもの」「買いたいもの」があって
ワクワクしているのに、多くの人が、若い人に取っては「些細な」ミスで
サイト上で目的を達成できずに諦めたり、
諦めきれないからとサポートセンターに電話して
「その情報はホームページに載ってます」と言われ落ち込んだりしている。

今日は大学の公開講座に申し込もうとしている70歳代後半女性の話。

ウキウキの申し込み

「大学の公開講座申し込みたいの。英語をやり直したいのよ」といらしたMさん。

「新聞の折り込みで講座を見たのだけど、ホームページから申し込んでって書いてあって。
ホームページを見たのだけどどうすればいいのかわからないけど
ホームページからしか申し込めないらしいから、やり方教えて」

とのこと。

チラシには所狭しと色々な講座があり、彼女の好奇心を満たす講座も沢山。

「私、この講座かこの講座を検討しているの。画面の出し方を教えてもらってもいい?」

それでは早速見てみましょう。
ちなみに、彼女が使用しているのはミニノート。
画面が小さく、
ファーストビューの範囲が狭いのが難点。

ポイント:シニアはスクロールをしない

Yahoo!の画面で、大学名を途中まで入力すると、大学名が表示されます。
それをクリックすると、検索結果に大学のページが現れクリックすると…

そこに「公開講座」の案内はない。

シニア層はあまりスクロールをしない。
最初の画面で「情報がありそうだ」と思うとスクロールをするが、
それまでは、あらわれた画面をじっと見る。

「どこにあるのかしら」

しかし、ざっと私が隣のPCでスクロールしたが
公開講座へのバナーなどはすぐには見つからなかったため
仕方がないので、検索結果画面に戻り、キーワードを追加することを促した。

ポイント:シニアはリストマークをクリックする

そして現れた公開講座のページ。
画面を見まわして左側にあるメニューを見つけた。

「講座案内」の文字を見つけると、彼女は、横の小さな▼、
いわゆるリストマークをクリックし続ける。

「文字の上はクリックできない気がする」そうだ。
しかし、リンクされていないため、何も起きない。
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私が文字をクリックするように促して、ようやく「講座案内」の文字の上をクリックした。

そして、秋期講座をクリックした。

ポイント:慣れていない人はクリックする場所を推測しない

秋期講座のページが表示されると、動きが止まった。
よく見ると
←こちらからお入りください と書いてあるものの
それはシニアにとって、「押す感じ」がないので目に入らない。

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「押す場所」として認識されていないものは、見ようともしない。
慣れている人なら「ここかな」と推測するものの
慣れていない人は、そこではないだろうと、最初から無視をしてしまう。

せめて色を変える、フォントを大きくするなど
押す場所はここ!ということが一目でわからなくてはいけない。

ポイント:別ウィンドウはなるべく使わない

彼女にとっての最大の難関は、ここだった。
講座案内は別ウィンドウで開く。
そのウィンドウを大きくしようとして、外側のウィンドウをクリックしてしまう。
そして、小さく開いた別ウィンドウは消える。驚く。またクリックする。ループ。

ポイント:難しい言葉は見えなかったことになる

講座の一覧が出ると思ったが、出ているのは検索画面。
左のジャンル「語学講座」の下には(申込み時要ログイン)と書いてあり、
クリックするのに躊躇してしまう。

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シニアは難しい言葉があるとクリックを避ける。

仕方がないので、講座検索のキーワードに「英語」と入れて検索した。

ポイント:ファーストビューはページの中身がすぐにわかるようにすべし

現れたページは、講座検索の画面のままだ。
彼女の画面が小さいがために、検索結果が見えないのだ。

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「あれ?」と、つぶやき、もう一度「英語」と入力して検索する。
しかし、画面は変わらず。

そう、画面上部に検索ウィンドウが表示されているのだ。

大切なことだから、2度いうが、シニアはスクロールをしない。
そして、ファーストビューが変わらないと戸惑い、新しいページに来たことに気付かない。

その後

一部はPDFになっており、その表記もないため
初心者(というほど彼女は初心者ではないと自負していると思う)は戸惑うばかりである。

色々手伝ったが、その後も情報が足りないなどいろいろあり、
結局電話で予約した。

彼女は帰り際にこのように言った。
「何を勉強したら、こういうホームページを自由に使えるになるんでしょうか」
なかなか難しい質問である。

シニアを取りこぼさないサイトへ

もちろん、若者向けの講座であれば、この作りでもいいと思う。

ネットもサービス業であるのだから、
「万人が使えるべき」サイトは公共機関以外存在しない。

大人な感じのバーに、
明らかに子どもが入ってきたら既にいたお客様は違和感を感じるだろうし、

逆に、女子高生の中に私が「イェーィ」とか言って入ってきたら
女子高生は目にもとまらぬハヤザワで逃げるか、もろに嫌な顔をするだろう。
そして、私はその冷たい視線にいたたまれなくなり、場を離れるだろう。

大人、子どもだけじゃない。それぞれの嗜好もある。
そのキャラが好きじゃない人に喜ばれるサイトを作る必要はない。

ウェブは、そのサービスを提供したい人のためのものなのだから
万人受けする必要はないと思う。そのためのペルソナだ。

しかし、もし、公開講座がシニアも歓迎の姿勢で運営しており
シニアの彼女が利用に戸惑ったり、ストレスを感じていたり
目的を達成できないのであれば、これは、少し問題だと思う。

使いづらい、ということは、使いたい人が目的を達成できないということだ。
もし、シニア層もニーズを感じている商品や情報を扱っているのであり、
年齢層ではなく、ニーズ・ウォンツ別にカテゴリ化しているのであれば
是非、シニア層を含むほしい人が使えるサイトであってほしいと思う。

こんなチェックシート作りました。

シニア層を取りこぼしていないかチェックできる
簡易セルフチェック表を作成しました!

質問にはい、いいえで回答するだけで
自社サイトがシニアを取りこぼしていないかをチェックできます。

また、自社サイトがシニア層を取りこぼしまくっているなあと思う方は
シニア層も使えるウェブサイト制作のためのガイドラインがおススメです。

頑張りたいシニア層の頑張りが実る
ストレスがたまらないサイトが一つでも多くなることを祈っています!