サイトのシニア対応の重要性~シニアのタスク達成率はわずか55.3%

サイトのシニア対応の重要性~シニアのタスク達成率はわずか55.3%

ユーザビリティに関するコラムでおなじみの「U-site」にて、先週、シニアのウェブ利用に関する興味深い記事が紹介されていました。

65歳以上のユーザーは21~55歳のユーザーよりもウェブサイトを利用するのに43%長く時間がかかる。

この数値は過去の調査に比べると良くなってはいる。しかし、高齢のユーザーへの対応を改善するために、デザインは変わる必要がある。

ウェブユーザーとしての高齢者 – U-Site

こちらの記事は、ニールセン・ノーマングループが実施した2回のユーザーテストについて分析したレポートの概要抜粋なのですが、マミオンでは、この調査レポートを購入し、ユーザーテスト環境やタスク、結果について詳しく確認しました。

今回はその中から、シニアの「タスク達成率」に焦点を当て、定量的に見たシニアのサイト利用の様子、そしてサイトのシニア対応を行うことで得られる「成果へのインパクト」について考察してみたいと思います。

 

シニアユーザーは、2回に1回はタスクを達成できていない

今回のユーザーテストではアメリカ国内で行われ、65歳以上のシニア40名、21-55歳の一般ユーザー40名の計80名からデータを採取しています。

各ユーザーに行ってもらったのは、以下の4つのタスクです。

・テキサス州ダラスの1月の平均気温を調べる
www.target.comにて、CDを購入する
www.transitchicago.comにて、シカゴのオヘア空港から市街行きバスを調べる
www.schwab.comにて、投資信託商品を比較検討する

そしてこちらが、年代ごとのタスク達成率を表したグラフです。

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※ 原文では”Success Rate(成功率)”と書かれていますが、これは各タスクについて達成度を0-4の5段階査定をした結果を百分率換算したものなので、今回は「成功率」ではなく「達成率」と訳しています。

一般の達成率は約75%、シニアの方は約55%と、一般よりもシニアの方が25.7%(19.2ポイント)低くなっています。

未達率にあたる「グレーの部分」に注目して見てみると、今回のタスクは特別難しい内容ではなかったのにも関わらず、一般の人でも4回に1回、シニアにいたっては2回に1回は達成できていないという状況と言うことができます。

ここからユーザビリティを改善して達成率を上げていくことを考えた場合、どちらの方が効果が出やすいと思いますか?

もちろん一般の達成率を上げることも可能ですが、こちらはすでにある程度の水準に達しているため、必ずしも費用対効果が得られるとは限りません。一方でシニアユーザーの方は、改善の余地が大きい分、1つの改善施策に対して反応が得られやすくなります。そして最終的には、少なくとも一般ユーザーで達成されている値までは改善を続けられるはずです。

ここからは仮定の話ですが、もしサイトを利用するユーザーの年代が一般とシニアで半々ずつであれば、シニアの達成率を一般の値と同程度まで上げられたら、コンバージョン数を14.8%(=19.2/(74.5+55.3))改善することが可能になります。またこの際、一般の達成率にもプラスの影響があるはずなので、数値はさらに伸びる可能性があります。

 

シニアユーザーは、あきらめやすい

こちらのグラフは、「タスクを途中で止めてしまった人」の年代を表したものです。

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参加者の割合は40:40ですから、やはりシニアユーザーの方が途中であきらめてしまうケースが多いようです。タスクを途中で止めてしまえば、当然タスク達成率も下がります。

タスクを途中で止めてしまう理由としては、以下のような意見が挙げられました。

・これ以上時間を浪費したくないと思った
・今までに慣れた方法を使うことにした
・精神的に疲れた
・肉体的(目、手など)に疲れた

 

シニアユーザーは、多くの時間がかかり、エラーを起こしやすい

こちらは、年代ごとの作業時間(秒)を表したグラフです。

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またこちらは、年代ごとのエラー数を表したグラフになります。

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これら2つの結果から、一般ユーザーよりもシニアユーザーの方が、平均して43%余計に時間がかかり、2.2倍エラーを起こしやすいことがわかります。

前項で紹介したタスクを止めてしまう理由の中に、「時間を浪費している」や「精神的に疲れた」ということが挙げられていましたが、作業時間やエラー数を減らしてあげることで、こうしたタスク中断の原因を取り除くことができるのではないでしょうか。

 

シニアにフォーカスすることで、効率的な改善を

これまで見てきたように、サイトユーザーの年代比率によっては、シニアにフォーカスしたユーザビリティ改善のアプローチは、コンバージョンを効率的に改善できる可能性を持っています。

マミオンでは、こうしたアプローチのお手伝いとして、シニアユーザーに協力していただく「ユーザーテスト」や、これまで得られた知見をベースにした「専門家レビュー」などのサービスをご提供しています。

乾いた雑巾を絞るより、まだビショビショに濡れている雑巾を見つけて絞りましょう。そのうち、乾いた雑巾を絞る力まで上がってきます。

シニアユーザーが多くなってきたサイト管理者の方は、ぜひ早めにご相談ください!