「難しい」とは何か(後編)~モノ側から難しさを排除する

威嚇するイメージ

前回は人が難しいと感じる瞬間について記した。
人は色々なことを難しいと感じる。
それは人がすぐにあきらめてしまう、というだけではなく、
人に色々と難しいと感じさせる「モノ・サービス」側の責任でもある。

参考:「難しいとは何か(前編)

今回は、「モノ・サービス」(以下モノ)が原因の難しさについて、
触れていこうと思う。

初対面で威嚇するモノたち

モノと目が合った、その初対面の時にモノが顧客を威嚇している場合がある。

そうすると、人はとても難しく感じる。

難しそうに威嚇する

初対面で、なんとなくしゃべる糸口をつかめないようなものだ。

・難しそうに感じる
 世界一かんたんな○○、という商品でも、
 その目的に行きつくまでに3つ以上手順があると、難しく感じる。

 一番好きなのは○○するだけ!これが一番簡単で響く。
 「日本一かんたん」という言葉は既に、あまり響かない。
 みんなが言っているし、実際の動作が見えないからだ。
 
・難しい用語が多用されている
 英語、カタカナ、漢字のバランスが悪い文章は人に難しいさを感じさせる。

 例えば、「アクセス」や「アップロード」など、
 生活になじみのない言葉は見た瞬間に
 「難しい」と感じて、手が引っ込んでしまう。

空気を読め、と威嚇する

使い方を提示しなかったり、結局何ができるのか解らないのに
「わかるでしょ」「わからないわけないよね」「解らないなんてどういうこと?」
と、威嚇しているように見える「難しさ」がある。

・なんでもできるは、なんにもできない
 これを買えばなんでもできます、というのは、「なにができるか考えなくてはいけない」ため
 とても難しいという評価につながりやすい。
 なんでもできるは、顧客にとって、なぞなぞに近い。

・なにから始めればいいのかわからない
 まずはこれをしよう!というのが解らない場合、何もできないことが多い

使い始めたら・・・絶賛威嚇なう

ユーザーが期待を持って使い始めると
釣った魚に餌流行らないとばかりに?!使い始めてから「難しい」と感じるものがある。

釣った魚も、餌がないと、死んでしまいます。

手順が複雑で威嚇している!

この点については、ニールセン氏のユーザビリティの定義が参考になる。

学習しやすさ: システムは、ユーザがそれを使ってすぐ作業を始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならない。
効率性: システムは、一度ユーザがそれについて学習すれば、後は高い生産性を上げられるよう、効率的な使用を可能にすべきである。
記憶しやすさ: システムは、不定期利用のユーザがしばらく使わなくても、再び使うときに覚え直さないで使えるよう、覚えやすくしなければならない。
エラー: システムはエラー発生率を低くし、ユーザがシステム使用中にエラーを起こしにくく、もしエラーが発生しても簡単に回復できるようにしなければならない。また、致命的なエラーが起こってはいけない。
主観的満足度: システムは、ユーザが個人的に満足できるよう、また好きになるよう楽しく利用できるようにしなければならない。

具体例としては
・1つのボタンに複数の意味がある
いつ、これを押すのか「覚えなくてはいけない」ため、難しく感じる

・手順を記憶に頼らせる
やり方を覚えさせようとすると混乱する/エラーが出てきたときの対処ができない
手順を覚えた人は、必ず忘れる!ということを、作り手が覚えておくべき

・間違いを再現できない/原因を把握させない
間違った時の納得感がない。(「自分ではやっていない」「よく解らないけどこうなった」)
なぜ間違った操作をしたのか理解できる(再現できる)と難しさが軽減される。

顧客とともに育とうとしていない

顧客にモノを使っている過程で成長してもらう。
その手助けをしながら、モノも成長していくと、共存がうまくいく。

・顧客に最初から難しいことばかりを与えずに、徐々にステップアップしていけば
 顧客が難しさに対して過剰反応をせずに済む。
・ただし、顧客には「かんたん」などをウリにしてはいけない。
 「かんたん」を売りにすると、現実とのギャップで嫌われてしまうからだ。

・顧客の成長を考えないモノは飽きられるだけでなく、
 それ以上のことをしたいと思った時にやらなくてはいけないことが多く
 顧客がキャパオーバーとなりやすい。

・達成感がないものも、難しいと感じられる原因となる。
 人はゴールが解れば頑張れるが、
 ゴールがないと不安に感じてしまうためだ。

できること、できないことを顧客に伝えることも
あとから「難しい」と言われないための防御にもなる。

「難しそう」を排除しよう!

“難しい”は会議室で起きてるんじゃない
現場で起きているのだ

そう、多くの“難しい”は、現場で起きている。

作り手が「こうやったら簡単だよなー」
「きっとみんな涙流して使えちゃうかも」

という思いは、幻想に過ぎない。

「書いてあるのに、どうして気づかないんだろう」
「言ったのにどうして忘れちゃったんだろう」

この、気付かない・忘れるが現実である。

だから、ユーザーテストが大切なのだと思う。

実際に教室でインターネットで購入しようとしている人を見ると
すごく四苦八苦している。
しかし、購入することができると、満面の笑みになる。

この笑みの裏に、教えてくれる人がいなくて
あきらめてしまっている人がたくさんいる現実を
提供者は忘れちゃいけないと思う。

だからこそ、難しさをできる限り排除していくことが必要なのだ。
みんなが、満面の笑みになるために。

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