先日、以下の記事を読んだ。

個人消費全体に占めるこの世代のシェアは2002年の33.3%から増え続け、2011年には44.0%になった。国内総生産(GDP)約500兆円の6割の300兆円が個人消費で、消費実態調査などから推計される消費市場は300兆円程度とみられ、シルバー消費は現在でも約100兆円以上になる計算だ。
■ シニア「100兆円市場」を狙え 個人消費の主役に躍り出る(新規ウィンドウが開きます)

またシニア向けビジネスが脚光を浴びているようなので
最近のシニアマーケットの国内の動向/現実について
最新のヒアリングの雑感なども含めて
あれこれ書いてみようと思う。

シニアビジネスの競争相手は行政

どこの市区町村も、高齢化が進み、生涯学習として、
シニア向けの講座やサークルなどを展開している。

内容は健康関係ならば、ヨガ、太極拳、卓球、水泳のサークルや
お勉強関係では色々な講演、歴史の勉強会や文学の勉強会、
パソコン、音楽、芸術系色々とこちらも多岐にわたる。

これらが、1回500円前後、安い場合だと1回100円もしくは年会費1200円で参加費は無料、
高くても材料費込で2000円くらいで受講できる。
(ただし、地域差がかなりある。この差は区長・市長の考え方と資金の豊富さに因る。)

これらの行政の講座はアクティブなシニアにとって、嬉しいイベントである。
すごい人だと1週間に4回くらい、行政が行う何かに出席する。
そこでできた仲間に誘われてサークルに入り、はまる。

先日も「普通に習うと高いでしょ。ここなら材料代だけだし、
来ておしゃべりすると元気になるのよ」と、
その場所に通っている女性に楽しそうに言われた。

確かに、行政が推しているモノは、基本的に施設代無料(廃校なども利用)、
さらに助成金がでることもあるので、一人当たりの負担はとてつもなく低い。
だからこそ、年金暮らしのシニア層にとっては安くて楽しくて、長くいられる場所なのだ。

多くのシニア層が広報紙を読み、自分に合った講座・サービスなどを探す。
行政は、このように、「居場所」を提供している。
ノルマもなく、過干渉があるわけでもなく、カスタマイズ可能な自分の居場所を
シニア層は市区町村の広報紙を通じて新しい講座・サークルを探している。

シニア層の消費のカギは「明快さ」

上記の安い値段を見ると、通常の会社にとって、価格競争はできない。
土壌が違う。
価格破壊というよりも、価格ってなんだったっけ、という世界である。

つまり、シニア向けに商品やサービスを展開するときには
価格は存在するだけ「高い」と思われてしまうのは仕方がない。

だからこそ、シニア層を消費に導くキーワードは「明快さ」なのである。

お金を払うだけの価値を、解りやすく提示する。
なぜ、これは高級品なのか、一目でわかるようにする。
持つと、一目で高級と分かるようにする。
それを持っているというと、「高級品ね」と言われるような。

高級品だけではない。

その商品が持つ特性(記号とか、とんがりとか)がとにかく明快で
それを持つことによって、何がもたらされるのかが
すぐに解らなくちゃいけない。

サービス提供は、長く・楽しく・難しくなく、なんちゃって。

上記のように行政に安価でサービスを提供されているので、
民間としては、同じようなサービスをやっていては見向きもされない。

行政のサービスではできない価値を提案する。
価格競争に陥らないように注意する。
難しすぎないように注意を払い、それでも「充実感」があるようにする。
一定以上の質は求められる。
ただし、難しいことはしたくない。
なかなか文字での説明が難しいが
求められているモノは「なんちゃって」的なものであると感じる。

ウェブもとにかく、「何を見ればいいのか」解るように

ウェブもとにかく明快に、が重要。
ごちゃごちゃしていて見づらいから、閉じちゃった!という声は良く聞く。

ここまで解りやすく書いても、まだ解らない!?ということも良くある。

だからこそ、「ここまでやっていいの!?」というほどに
もっともっと、明快に、解りやすく、全てのものがそうなっていくと思う。

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