シニア層の趣味といえば、旅行、カメラ、ゴルフが鉄板である。
旅行と言えば、観光地に行くと、
とにかくアクティブシニアのパワーがすごい。
元気である。にぎやかである。
私事だが、先日、平日にラベンダーの最盛期の富良野にフラッと行った。
(お約束のおやじギャグ)
そして、富良野から札幌行きのバスに乗ったのだが
全席埋め尽くすほどのシニアの皆さん。
バスの運転手さんが、「なんで今日はこんなに人が多いんですか?皆さん団体旅行ですか?」とパニックになるほどに。
数字で見るシニア層と旅行
早速、シニア層の旅行実態をデータで観察してみよう。
家計消費状況調査から一人あたりの1か月の旅行費用を世帯人数で割り、
1年間の額にするため12を掛けた。
以下のグラフは2011年の各項目の金額だ。
60歳以上の旅行費の金額は他の世代よりも群を抜いている。
(クリックで拡大。以下同様)
増える自由旅行、減るパック旅行
各旅行の構成比は宿泊が各年代ともに多いが
パック旅行(国内)は60~64歳が他の世代よりもわずかに多い。
また、5年前の構成比を比較すると
パック旅行が激減していることが分かるだろう。
これは60歳代前半でパック旅行でいろいろな所に行き
旅行慣れしたところで個人旅行に変更しているのだろうか。
構成比だけではない。
以下のグラフを見ると、
航空運賃、宿泊料は増えているが
パック旅行は国内・海外ともに減っている。
選べる自由を楽しむシニア
豊かな時代を生きているシニアたちは
きめられたコースよりも選べる自由を得ているのかもしれない。
確かに、弊社が運営するパソコン教室でも
宿だけ予約して旅行に行くという話を10年前よりも頻繁に聞くようになった。
以前はツアー旅行じゃなくちゃ嫌だと仰っていた方も
「ツアーで色々回ったから、今はもう一度行きたいところとかも含めて、友達と自由に旅行するのよー」と仰るようになった。
「ツアーじゃ自分の好きなところでゆっくり滞在できないからね。私は友達と現地オプションを利用している」という70歳代の女性もいらした。
目が肥えてきたシニア層は、「自分なりの自由」をもっと楽しめるようになった。
そして、それは、旅が「特別」ではなく、もっと身近になったということも意味しているかもしれない。
年代が旅行に与える影響はどんなもんだろう。
5年前50歳だった人が55歳になっていることを利用し、
同じ年代層の移り変わりに着目した。
算出方法は 現在の利用金額/5年前の5歳下の世代の利用金額である。
航空運賃は定年退職後、特に60歳から65歳に変って金額が2倍近く伸びている。
その分、パック旅行は半減しており、
最近のシニアは、ツアー旅行ではなく、自由旅行が多くなってきている。
インターネットの普及が変えるシニアの旅行のカタチ
自由旅行が増えている背景にはインターネットの普及があるのではないかと考える。
以前はツアーに参加することが「外れない」「失敗が無い」プランであった。
しかし、現在はインターネットで色々な情報を仕入れることができる。
色々なホテルも比較できる。お店も見ることができる。
そのような情報網が旅行の形を変えたのではないかと思う。
パソコン教室にお通い頂いているシニアの方も本当に旅行が好きだ。
話をいろいろ聞くと、インターネットをみて
いろいろ情報収集するようだ。
しかし、予約はとても難しく感じている様子。
(何人かトライはしているが、手伝いが無いと買えない様子だ)
このようなアクティブなシニアにワクワクしていただくためにも
旅行サイトは、もっと使いやすくあってほしいと思っている。
利用データ:家計消費状況調査H23、H17利用