「やった方がいいんだろうけど、ヒマがないんだよね~」
「このあいだリニューアルしたばっかりだから、今は大丈夫だよ」
ECサイトのセミナーや、マミオンにご相談をいただく方からは、よくこんな声をお聞きします。
そこで今回は、非常に強力なサイト改善ツールの一つである「ユーザーテスト」を行う適切なタイミングについて、少し考えてみたいと思います。
新しいサイト公開日の1か月~2週間前
新しいサービスや、お店をオープンする際には、公開前に必ずユーザーテストを行うようにしましょう。
問題は、「どのくらい前に行うのがよいのか?」です。
早ければ早いほど、根本的な課題に焦点を当て、軌道修正できる可能性が高まります。
しかしあまりに早すぎると、テストすべき機能やデザインがまだ完成していなかったり、テストするユーザーも"その気"になれないでしょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
早期に行う | 根本的な課題を発見した際でも対応しやすい | まだサイトができていないので、リアルな利用環境を再現するのが難しい |
直前に行う | サイトがほぼ完成しているので、テストが行いやすい | 基幹の部分はいまさら手をつけることができず、表面的な部分しか対応できない |
今までにないサービスを作ろうとする場合は、早期の段階からこまめにユーザーテストを行い、サービスの受容性や各機能の必要性を確かめる必要があります。
しかし通常のサイトであれば、ナビゲーションや情報の見せ方、ラベリングなどが争点になる場合が多いので、1か月、遅くても2週間前までにテストが終わっていれば慌てることも少ないでしょう。
サイトリニューアルの2カ月前
前述のサイト公開前のテストは、意図した企画やデザインがユーザーにちゃんと伝わっているか、検証の意味合いが強いものでした。
一方でサイトリニューアルに際したユーザーテストでは、「課題の抽出」「改善の方向性を定める」「着手の優先度付け」が主目的となります。
ユーザーがどこで困っているのか?なぜ困っているのか?どうすれば解決しそうか?
ある程度当てがついているところもあれば、全く想像していなかった課題も出てくるでしょう。
特にサイトを制作している人、運営している人には当たり前と思われることでも、初めてサイトを使う人には大きな課題だった、ということがよくあります。
リニューアルの際のユーザーテストでオススメなのは、『サンドイッチ作戦』です。
まず1度目のユーザーテストで課題を抽出し、それに基づいて修正作業を行った後、2度目のテストで課題が解消されたかを検証します。
この修正期間を考えると、サイトの規模にもよりますが、1度目のテストはリリース日の2カ月前、検証のテストは2週間前には行っておきたいところです。こうしたテストと修正の期間を、あらかじめスケジュールに組み込んでおくことが大切です。
また今回はテスト対象となるサイトはすでに公開されているはずなので、可能であれば2カ月前より早くてもよいと思います。
大きな商戦、キャンペーンの2か月前
しばらくリニューアルするつもりもないけど、本当にこのままサイトを続けていっていいのか不安になる。そういう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人間であれば、年に1回健康診断を受けますが、サイトの場合はそういう習慣がありません。ですので、季節ごとの大きな商戦の前に診断を済ませ、持病を完治させておくのがよいと思います。
ECサイトであれば、前述した理由から、2か月前に課題を把握しておきたいことを考えると、お中元シーズンの2カ月前である5月(まさに今ですね)、お歳暮やクリスマス商戦の2カ月前である10月はひとつの目安でしょう。この時期であれば繁忙期ともずれるので、改修もしやすいかと思います。
その他サービスのサイトであれば、大きなキャンペーンやアクセスが上がるイベントの2カ月前を意識してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回、ユーザーテストを行うタイミングについて、以下のように考えてみました。
- 新しいサイトを立ち上げる場合は、1か月~2週間前までに!
- リニューアルの際は、『サンドイッチ作戦』で2カ月前までに!
- ECサイトでは、5月や10月に見直しを!
もちろんこちらのアドバイスは経験則による部分も大きいですし、絶対ではありません。サイトの規模や種別、状況によって、適切なタイミングは変わってくるかと思います。
ですので、ユーザーテストについて気になっていることがあれば、ぜひ無料相談をご利用ください。状況を教えていただければ、ユーザビリティの専門家から、あなたのサイトでの適切なテストの形やタイミングをアドバイスさせていただきます。