概要
女性はデザイン項目を評価し、男性は機能面を評価する。 「解りやすさ」と「探しやすさ」の相関関係は高い。「探しやすい」と回答したサイトにおいて他の項目のばらつき具合を見たところ男性は探しにくいと全体的にどの項目も評価が低くなる傾向があるが、女性の場合は探しにくくても各項目ごとの評価は項目によってバラツキがある。
「探しやすさ」について
男性は探しづらいと全体の評価が下がるが、女性は探しにくくても探しやすくても、サイトを良いと評価する理由はばらばらである。
「探しやすい」の項目で5または4点と回答されたサイトを「探しやすいサイト」。「探しにくい」の項目で1または2点と回答されたサイトを「探しにくいサイト」とし、他の項目の有意差を算出したところ、「解りやすい」「優しい」「使いやすい」「暖かい」「また見たい」の5項目において1%水準で有意差が見られ、「読みやすい」という項目で5%水準で有意差が見られた。反対に「色使い」「デザイン」「絵のわかりやすさ」において探しやすさ・探しにくさの有意差は見られなかった。
また、性別ごとに同様の方法で分析したところ、女性では全ての項目で1%水準で「探しやすいサイト」と「探しにくいサイト」の有意差がみられた。
このことより男性は文字情報において探しやすさを感じ、女性は画像情報も含めて探しやすさを感じるということがわかる
「読みやすさ」について
男性の場合、「解りやすさ」「デザインのよさ」が読みやすさに貢献する。女性は「解りやすさ」「色使いのよさ」が読みやすさにおいて重要視される。
※ 判別分析はいくつかの変数に基づき各データがどの群に所属するかを判定する
「使いやすさ」について
使いやすさは「探しやすさ」である。ウェブサイトを「文字情報」で理解する男性、「画像情報」で直感的に理解する女性の姿が伺える。
「また見たいサイト」「もう見たくないサイト」について
解りやすいサイトは「また見たい」要因となる。他には探しやすさ、色使いのよさは当たり前である。探しやすさや色使いの良さには感謝をしない。しかし、探しにくかったり色使いが悪かったりするともう見たくないと感じる。
「探しやすさ」「解りやすさ」の重要性
「使いやすいサイト」と「使いにくいサイト」に分けて他の各項目の平均点を比較した。
「使いやすいサイト」で平均点の高い項目は「解りやすい」「探しやすい」「優しい」であり、「使いにくいサイト」で平均点の低い項目は「探しやすい」「解りやすい」「色使いが良い」であった。
使いやすいサイトであると判断される材料として解りやすさと探しやすさがあげられると考えられる。
また見たいサイトについて
「また見たい」サイトについて判別分析を行った。その結果、「解りやすさ」「使いやすさ」「色使いのよさ」がサイトを「また見たい」と思わせる主な要因であることがわかった。
性別による大きな違いは見られなかった。
アンケート内容
マミオンでは、2004年11月に『シニア層によるウェブサイトの使い勝手調査』を実施し、実際にシニア層がウェブサイトを使用する現場から、シニア層がどのようにウェブサイトを見ているのか、ウェブサイトのどのような点が使いづらいのかを分析した。また同時にアンケートを実施し、「使いやすさ」「解りやすさ」などの項目についてアンケートをとった。その結果からシニア層がウェブサイトをどのように感じているかをチェックした。
一人につき1業種、5社ずつ操作してもらった。業種ごとにタスクを設定し、そのタスクに沿ってウェブを操作してもらった。
回答項目数が多いとシニア・シルバー層はアンケートの回答を適当に答えてしまう傾向があるため、アンケート項目は極力少なくした。
回答者
総回答者数は30名
男性6名、女性24名、平均年齢は65.4歳、男性の平均年齢71.0歳、女性64歳
チェックした業種
リフォーム、百貨店、旅行、銀行、信託銀行、証券会社 計50社
回答方法
一人の被験者につき5社を評価してもらった。ユーザーには2つのタスクを遂行させ、その後アンケートによる評価を行ってもらった。アンケート実施後、見た会社の中から一番良かったところ、一番悪かったところを一つずつ答えてもらった。
アンケート項目
各社ウェブサイト利用後にアンケートを実施。項目は「解りやすい」「またみたい」「読みやすい」「色使いが良い」「探しやすい」「デザインが良い」「絵が解りやすい」「優しい」「暖かい」「使いやすい」を5点満点で評価。また、5社見た段階で、どの会社のホームページをまた見たいか、もしくはもう見たくないのかのアンケートを実施した。