楽天リサーチは、全国の50歳以上の男女計1,000人に対し、「読書に関する調査(ネットリサーチ)」を実施しました。
今回は、シニアの間でも期待が高い「電子書籍」の話題も含めて、シニアの読書事情を探ってみたいと思います。
時間はたっぷりあるのに、読書が進まない?
下のグラフは、ここ5年から10年での読書量の変化についての回答です。
「読書量が増えた」という人は合わせて14.0%おり、「読書量が減った」という回答の合計48.2%のおよそ3分の1ほどにとどまっています。
「読書量が増えた」という人について、その理由がこちらです。
トップは「時間ができた」という理由でした。やはり子供の独立や定年退職などにより、『時間リッチ』なシニアの様子がうかがえます。
また注目したいのが3番目の「図書館の利用」です。今はどこの図書館に行っても、シニア層の利用者でにぎわっています。お金がかからず時間を潰せる、しかもエアコンも効いている図書館は、とても居心地がよい場所になっているようです。
逆に、「読書量が減った」という人の理由がこちらです。
ここでダントツで多いのが、「文字が読みづらくなった」という回答でした。
これらの結果から、「せっかく自由な時間ができたのに、老眼などで文字が読みづらくなってきたせいで、読書を思う存分楽しめない」という思いを持っているシニアが一定数いるのだろうと想像がつきますね。
意外に多い「PCで電子書籍を読む人」
こちらは電子書籍の利用経験と、その利用端末を表したグラフです。
利用経験ありと答えた人はおよそ6人に1人という数値で、若い人の5割強という数値と比べると、まだまだ成長の余地が残されているのがわかります。教室でも、私たちがiPadを使っていると、「それで電子書籍も読めるんでしょ?」と質問されることが多々あります。
また興味深いのは、タブレットや専用端末ではなく、PCで電子書籍を読んでいるという人が意外に多いことです。ちなみに教室では、生徒さんが持ち込むパソコンのモニタは、そのほとんどが15インチ以上です。PCで電子書籍を読む一つの理由として、この大きな画面を利用したいという考えがあるのでしょう。
そしてこちらのグラフは、まだ電子書籍端末を持っていない人が、端末に期待することについて回答したものです。
若い人であれば「持ち運びの良さ」が一番高い支持を集めるのではと思いますが、一方でシニア層にとっては「文字を拡大できること」がやはり一番刺さる機能なんですね。
メディアの「シニア対応」はどこも必須!
ちなみに、新聞各紙においても、文字は年々大きくなっています。朝日新聞では、紙面の文字の大きさを数年に一度ずつ調整し続けた結果、現在では30年前の2.09倍の面積比になっているそうです。
【参考記事】
・サイクリング・ウォーキング:朝日新聞、4月から文字を大きく
これからますます増えるシニア層に商品を売っていくには、「文字の大きさが十分に確保されていること」が"大前提"になってきます。そして同時に、「サービス端末の大画面化」もシニアにとっては嬉しい差別化ポイントです。
一時期、『Nintendo DS LL』がシニアへのプレゼントとして人気になりましたが、もし『Kindle Paperwhite LL』なんて商品が出てきたら、その単機能ぶりと相まって今のシニアにかなりウケるのでは…と感じています。