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先日、とある企業のご依頼を受け、CMアイトラッキング調査を行った。
※アイトラッキングとは、赤外線で人の視線を可視化する機械のこと。
※パソコン上で番組や該当CMなどを見ていただく調査を行った。

今回の被験者さんは50歳代、60歳代の女性4名。

そこから得られた気付きはとても多く、改善に繋がる気付きを得ることができた。

今回の調査では、いくつかダミーとして健康食品のCM、テレビショッピングのCMを入れておいた。
そこから得られた「シニアの動画の見方」について解説していこうと思う。
(本来であれば動画をアップしたいのだが、肖像権の問題があると思うのでそこからの気付きだけでご容赦ください。)

CMは意識してみるものではない。

ウェブサイトが能動的に見なくてはいけない一方で、テレビは、基本受動的に見ている。
特にCMについては流し見ることが多い。

そのため、そのCMが自分に関係がありそうか、
それが直接すぐに自分に伝わってくるかで、見る意識が変わる。

最初に何の商品紹介か解るとその後も見続けようとするし、
すぐに何のCMか理解できないとすぐに飽きてしまう。

動画だけではなく、ウェブサイトでも、何もかもいつもそう思っているが、
人は、考えない。

これは決して、悪い意味ではなく、世の中にはいろいろ考えなくてはいけないことが多すぎて、CMや情報番組について、深く考えることはない、ということである。

その商品や買い物行動に興味を持つのは、
「今見ている情報は自分に必要か、不必要か」という瞬時の判断である。

それでは、自分に必要なものである、と判断してもらうためにはどうすればいいか。

被験者の方の目線を追っていて思ったことは、
情報はシンプルに。そして、情報の粒を大きくしすぎないこと。(個人サイズにすること)
健康食品のCMは、その点、「食べて健康」「まずは電話」
その2点のみのシンプルな情報を解りやすく説明しており、
被験者の方にも「解りやすい」と思われた。

人の顔を見ている・文字情報は重要

アイトラッキング調査を行って、改めて実感したのは「人は、人の顔を超見る!」ということであった。

出演者の顔をじっと見て、手の動きや顔の向きによって目線を動かす。
ということは、同時にいくつも重要なことがテロップなり、演技なりで示されると何を見ていいのか解らず混乱してしまう。

健康食品のCMでは、登場人物が飲み終わって正面を向いたときに
その効果がテロップとして出てくる。
すると、人は、人の顔を見ているがゆえに、その効果・効能の部分に絶対に目が行くのである。

また、テレビショッピングのCMでは、正面を向いて話している人の内容がテロップに出るのだが、
その人がテロップに手を動かすことにより、
耳からも、目からも「重要な」情報をしっかり認識することができていた。

動画では、文字と人の動きとの兼ね合いがとても重要である。

常々、人に考えさえないということを考えているが
今回はCMという、ユーザーと距離が遠いものであったので、
より、考えさせずに、寄り添うということがとても重要だと感じた。

また、動画だからこそ、ついつい見てしまうということもあるため、
そのストーリー、目や手の動きを含めた演技力はCMの反応を左右すると思う。

動画の人気がシニアに根強いからこそ、動画での商品紹介などを考えている場合には、一度ユーザーの目線を確認してもいいかもしれない。

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