先日、アイリスオーヤマの大山社長のお話しを聞く機会に恵まれた。
(テレビでの印象より、ものすごくダンディだった!!!目がハート。)

「ユーザーイン」と市場開拓のお話、
シニアビジネス開拓にも非常に参考になることが多かったので
メモとして記しておく。

需要&市場を創ることを意識する

アイリスオーヤマのカテゴリ選定の条件は
・強みが活きる
・競争が少ない
・将来性がある
である。

これらを踏まえて、「カテゴリ」マーケットを創ることを意識しているとのこと。

「○○をターゲットにします」ではなく、
「今までにない、『△△マーケット』を作ります。」
ということだ。

そして、設定されたマーケットにいる該当ユーザーに「不満に気付かせる」ことで
マーケットを創りだし、拡大していく。

例えば、主力商品である「収納」も、
「しまう」から「探す」に替えることで
マーケットを作り出すことができた。

「ユーザーイン」の発想

社長の仰る「ユーザーイン」は、「ユーザーの声から開発しました」というより
ユーザーが困っているであろうことを想像/体感/観察で
「気付いて」市場を開発しているという印象だった。

実はユーザーも気づかなかった/気にしていなかった何かを
「ユーザーになってみる・共感してみる・体感してみる・観察してみる」
ことで、困っていることに気付くのだ。

自分たちが消費者の代表であろうという考えだ。
だからこそ、「ユーザーの声」ではなく、
「ユーザーになること」「ユーザーの代弁者になること」が重要。

ユーザーの声を聞きすぎない

だからこそ、ユーザーの声を聞きすぎないという話が出た。

ユーザーの「○○がほしい」「○○がいい」という声を聞きすぎると
アイデアが凝り固まってきてしまう。

自分が買う立場で考え、
消費者の声を聴くのではなく、行動を見る。
それを通じて、自らが消費者になる。

消費者はたくさん問題を抱えている。
そこにマーケットがあるのであれば
「気付く」「行動する」ことが重要。
問題発見と解決方法にたくさんヒントがある。

質疑応答の時間にも
「顧客の声は聞きすぎるとダメ」というお話を何度もされていらした。

「お客様の声は聞きすぎずに聞く。」
「アンケートで聞くのではない。自分が、お客様代弁者でなくちゃいけない。
大体のお客様の声は顕在ニーズ。需要の創造には結びつかない。」

という言葉が非常に印象的だった。

シニアビジネス、ではなくて、お困りごとにフォーカス

「シニアを対象としたビジネスはどう思いますか?」
という質問が飛んだ。

すると、社長は少し、頭をかしげて
「うーん、シニア、っていう括りじゃないんだよね」と仰った。

「僕もシニアだけど」と前置きがあったうえで
「シニアの満足はモノじゃないんだよね。健康だったり、心の問題だったり。」
「だから、シニアに対してマーケットを狙うじゃなくて
一人暮らし、二人暮らしのマーケットを狙うかな。
お困りごとには、勝機があるから。」

シニア向けじゃなくてシニア受け

『ルンバ』人気から考える、シニア向け商品企画のアプローチという記事にもあるように、今「シニアビジネス」を考えるのに必要なのは「シニア向け商品」ではなく、「シニア受け」商品なのだ。

お困りごとの中に、シニアならではのお困りごとが多い場合「シニア受けのいい商品」となる。

例えば「美容」。
「お肌の衰え」というお困りごと(?)は中高年比率が高くなる。
(私もこのカテゴリに入ります。)
なので「シニアビジネス」に見えて、ただ単に「中高年比率が高いだけ」なのである。

つまり、お困りごとにフォーカスすれば、自動的にシニア向けになっていることもあるのだ!

“コラーゲンブーム”をつくった男が明かした、言葉で現象を生み出す最もシンプルな方法(ログミー)

でもね、僕は、コラーゲンっていうのは若い人が一番気にしてのるかと思ってた。そしたら、お店におばあちゃんが来たんだよ。思わず言ってしまったよね、「ばあちゃん、まだキレイになりたいと?」って。

(会場笑)

オカジマ:ばあちゃんに言われたのが、「あんた、なんば言うとね! 女は死ぬまでキレイでいたいの!」って。もうあの時は鳥肌が立って! 僕は巨大なマーケットを作ったんじゃないかと! 

出所:ログミー

シニアの「お困りごと」はたくさんある。
普段の会話から、たくさんのヒントがある。

もし、シニア向けビジネスを考えているのであれば是非ご相談ください。

シニア層の毎日の生の声を活かしたコンサルティングや研修なども実施しております。

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