先日、総務省統計局から平成25年の人口推計が発表されました。

皆さんご存知のように、総人口は数年前から減少が始まっています。一方で65歳以上の高齢者が占める割合(高齢化率)は年々高まってきており、ついに今年からは「4人に1人が65歳以上」という未曽有のステージに突入しています。

人口推計(平成25年10月1日現在)(総務省統計局 2014/4/15)
生産人口、32年ぶり8000万人割れ 65歳以上25%超す(日本経済新聞)
日本の総人口、21万人減 4人に1人が65歳以上に 進む少子高齢化(ハフィントンポスト)

・総人口は21万7千人の減少,日本人人口は減少幅が拡大
・男性は9年連続,女性は5年連続の自然減少
・日本人は3年連続の社会減少,外国人は5年ぶりの社会増加
・生産年齢人口が32年ぶりに8000万人を下回る
・4人に1人が65歳以上人口となる

出所:総務省統計局

こうした統計の発表内容ですが、その数値やグラフにインパクトはあるものの、なかなか実感として捉えづらい部分があるのではないでしょうか?

そこで今回は、少し前に流行った「〇〇がもし100人の村だったら」メソッドを用いて、上述の日本の高齢化状況をもう少しイメージしやすい形で表現してみたいと思います。

 

日本人人口の高齢化率は【25.3%】

先ほどの総務省統計局発表のデータより、「日本人人口」(在日外国人を含まず)について、以下の年齢グループに分けて集計をしてみました。

男女計男性女性
0-9歳8.4%8.8%7.9%
10-19歳9.3%9.8%8.9%
20-49歳37.2%38.9%35.7%
50-64歳19.8%20.2%19.5%
65-歳25.3%22.3%28.1%

ご覧のように、65歳以上の割合は全体で【25.3%】、女性に限ると【28.1%】とさらに高い値となっていることがわかります。

 

日本がもし100人の村だったら?

次に、男女別に全体を100人とした場合の各年齢層グループの占める割合を、アイコンを用いて表してみましょう。

まず男性のイメージはこちらです。

140512_1

男性では、65歳以上の高齢者が【22人】となっています。また老眼等の影響が本格的に出始める50代以上も含めると、合わせて【42人】と大勢を占めることがよくわかります。

また一方で、子供や学生にあたる0-9歳、10-19歳のグループの少なさも目立ちますね。「少子化」という言葉がパッと頭に浮かんできます。

 

次に女性を見ていきましょう。

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女性の場合は男性よりも長生きされる方が多いため、さらに高齢化が進んでいるように見えます。65歳以上の高齢者は【28人】、50代以上も含めると、ほぼ半数にせまる【48人】にもなります。結構ショッキングな絵ですね…。

ちなみに今回用いたアイコンは、ICON HOIHOI様から拝借しています。若干、50-64歳のアイコンが老け過ぎなようにも見えますが、一応「おじさん」「おばさん」という名前がついていたので使用しました。

 

高齢化率日本一の自治体は?

余談ですが、皆さんは日本で一番高齢化の進んだ自治体はどこかご存知でしょうか?

2010年の国勢調査によると、群馬県南牧村なんだそうです。その高齢化率は、驚異の【57.2%】。こちらも女性について「100人の村」メソッドで表してみました。

140512_3

さすが日本一。まさに右を向いても左を向いても高齢者という感じですね…。

 

高齢者市場の「肌感覚」を養う工夫をしよう

私は生活用品を買いに、都心の『イトーヨーカドー』の大型店舗に行くことがあるのですが、「暮らしのフロア」や「食品フロア」なんかに行くと、上に出てきている南牧村かと思うほど、お客さんの年齢層が高いんですよね。

特にインターネットでは、なかなか使っている方の顔が見えず、声も聞けないために、こうした「肌感覚」が持ちにくいかもしれません。しかし扱うサービスや商品によっては、パソコンの向こう側には今回ご紹介したような光景が広がっているはずです。

こうした方々が使うサービスやウェブサイトはどうあるべきか、またそこに新しくアプローチするにはどうすればよいか。

今後はどの業界においても、高齢者市場に対する「肌感覚」を養う必要が出てくるでしょう。定量的な数値やグラフも、少し工夫をすることで実感がしやすくなりますし、定性的なユーザー調査を通して「顔」「声」「生の行動」に接する機会を増やすことが非常に大切です。

予測困難な景気動向や技術革新と違い、人口動態は、かなりの確度で「わかっている未来」です。皆さんも、早め早めの対応を心がけてみてはいかがでしょうか?

 

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