トレンドの移り変わりやすい「食」。
昨年までブームだったものが、今年はもう時代遅れというように
時代に追いついていくのはシニア層でなくても大変です。
日本の食卓が変わってきているという番組が以前ありましたが、
シニアの食費はこの10年でどのように変わったのでしょうか、
また、変わっていないのでしょうか。
欧米化に慣れた「いまどきシニア」は、食の形も変えたのでしょうか。
今回は総務省「家計調査」より、シニア層の食費の変遷を見てみましょう。
(2001年、2006年、2011年家計調査利用)
外出機会の減少で外食費用が激減
60歳になると大きく減少するのが「外食費用」。
定年退職などにより外出機会が激減することで、外食の費用割合が減ります。
とはいえ、実は、それだけで「安定」しているのです。
50歳代は10年前の40歳代(つまり、10年前の自分たち)と比較すると景気の変動もあってか、とても減少しています。
60歳代は10年前の60歳代と、大きな減少はありません。
大体平均8600円前後が60歳代の外食支出となります。
肉食系シニアの増加
シニア層ってお肉を食べないのではないの?と思われることも多いと思います。
「だって、年を取って僕ですらお肉を食べる量が減ったから」
とおっしゃる方も多いです。
確かに肉類の比率は他の世代に比べて少し低いですが、大きな違いではありません。
それどころか、お肉の割合は10年前に比べて上昇し、金額ベースでは
10年前の60歳代と比べて今の60歳代は+754円となっています。1.2%の上昇です。
70歳代に至っては10年間で+477円増加、1%の増加率となっています。
わずかな上昇ではありますが野菜、魚介類が軒並みマイナスとなっていることを考えると「肉食系シニア」が増加している、シニア層も肉食になり栄養補給をしているということが見えてきます。
魚介類は年々減少
どの世代でも激減しているのが「魚介類」。
震災の影響かと2006年のデータを入れてみたところ、2001年→2006年の間にもかなり減っていることが判明。
「魚の処理が面倒でね」「骨ものどに詰まりそうだし」
「魚で摂るべき栄養素は最近サプリメントがあるからね」ととあるシニア女子。
生活が便利になるにつれて「面倒」を排除する。
面倒な処理を調理済みの物を買って済ませる。
それが魚介類の食費に占める構成比の減少を示しているように見えます。
調理済み商品市場に期待!
“処理が面倒”などで敬遠されがちの魚介類に変わって人気が出てきているのが「調理済み商品」。
先日、しっかりものの奥様 Tさんが「この間、風邪を引いた時に某社の調理済み商品を食べてみたのよ。そうしたら、意外とおいしいのね。子ども達も独立して買う量も減ったから、ああいうのもいいわねと思っちゃった」
食費の中でダントツ出費が増えているのが「調理済み商品」。
デパ地下などをはじめとしたお惣菜、コンビニの調理済み商品、品質が高くなってきたことや世帯人数が減ったことなどで今まで敬遠してきた層が少しずつ賢く利用するようになってきました。
調理済み商品は忙しいお母さんのためだけじゃなく、実はシニア対応も必要なのです。