支出項目ごとの占める割合の平均次のグラフは公的年金受給者全体の、支出総額に占める支出項目別割合の平均である。この結果から、受給者(本人および配偶者)の年金の使途状況がだいたい予想できる。大きな変化をしているのは、「衣食住」の割合と月平均支出額の減少、そして「医療・介護の自己負担」の割合の増加である。65歳未満では月平均支出30.5万円×医療・介護自己負担額の占める割合5.9%=約1.8万円。ところが90歳以上になると、17.7万円×27.2%=約4.8万円となり、じつに2.7倍ほどに膨れ上がっている。また、現データは平成18年のものである。平成20年4月からスタートした後期高齢者医療制度の影響を受けていない。この制度は主に75歳以上の高齢者の医療費負担に大きな影響を及ぼす。詳細に関しては後述する。年金受給額先の支出項目別割合の様子は、厚生・共済年金の受給の有無によってあまり差は出なかった(厚生・共済年金の受給の有無別のグラフは割愛)。しかし年金受給額については、当然ではあるが、厚生・共済年金の受給の有無によって大きな差が生まれてる。厚生・共済有りのグラフは、特定の受給額だけ層が厚くなるということはなく、均等に分布した様子が見られる。一方で厚生・共済無しの方は、比較的低い金額の層に多くが集中した。調査人数としては、男性が厚生・共済年金有り4495人、無し1023人。女性が厚生・共済年金有り3370人、無し3264人であった。男性では無しの方はマイノリティであるが、女性では人数にほとんど違いがない。貯蓄額との比較単身世帯のグラフのほうはグラフの推移が不安定である。夫婦世帯に比べて標本数が少ないからであろう。しかし年金受給額の多い人ほど貯蓄額が多いという傾向に変わりはないだろう。後期高齢者医療制度について平成20年4月に始まったこの制度では、従来の医療制度とは違って、75歳以上の「後期高齢者」一人一人が被保険者となる。つまり、後期高齢者の方が、保険料を「自分で」納め、自分の保険証を持つことになる。平成20年4月の年金支給分から年金の支払期ごとに、該当分の保険料が天引きされる。つまり年金の手取額が減るのである。(2008年7月の見直しにより、保険料徴収に一時的な緩和あり)この保険料は、各都道府県の後期高齢者医療広域連合が、財政的負担能力や地域の医療の水準に応じて決めていくことになる。しかし国や地方自治体の厳しい財政状況と止まらない高齢化を考えると、保険料が増加するトレンドにあることは否めないだろう。ソース:平成18年厚生労働省年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)参考サイト:後期高齢者医療制度 5分でマスター

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