現役続行シニア男性は最終的に、(雇人の有無に関わらず)業主になる人が最も多い。70代後半からは全体の6割を超えている。女性は男性に比べて臨時雇用が多い。60代までずっと2割を切ることはない。これは女性が能力以上に"状況"を重視されて雇用されるからであろう。出産・育児のタイミングによる雇用の変化が生む労働力率のM字型曲線は、日本特有の現象である。女性側のグラフでもっとも目立つのは、シニア層における「家族従業者」の割合の大きさである。「家族従業者」の定義は「農家や個人商店などで,農仕事や店の仕事などを手伝っている家族」である。これに対して、シニア男性に最も多い「雇人のない業主」は「個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士・著述家・家政婦などで,個人又は家族とだけで事業を営んでいる人」である。二つのグラフはこの点でリンクしているようだ。つまり夫が事業主になり妻がそれを手伝う型が多いと予想される。※グラフの用語の定義・常時雇用・・・期間を定めずに又は1年を超える期間を定めて雇われている人(≠正規雇用)・臨時雇用・・・日々又は1年以内の期間を定めて雇用されている人(≠非正規雇用)・役員・・・会社の社長・取締役・監査役,団体の理事・監事,公団や事業団の総裁・理事・監事などの役員・雇人のある業主・・・個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士などで,雇人がいる人・雇人のない業主・・・個人経営の商店主・工場主・農業主などの事業主や開業医・弁護士・著述家・家政婦などで,個人又は家族とだけで事業を営んでいる人・家庭従業者・・・農家や個人商店などで,農仕事や店の仕事などを手伝っている家族・家庭内職者・・・家庭内で賃仕事(家庭内職)をしている人事業の種類は?先ほどの結果では、シニア男性が事業主なることが多いということが分かったが、ではその事業の種類はどのようなものがあるのだろうか。男性・女性共に同じような割合で推移している。夫が事業主となり妻がそれを手伝う型が多いという予想も根拠を得たのではないだろうか。農業や小売業の大きさが目立っている。労働時間やはり男性は週40時間以上仕事をしている人が圧倒的に多い。しかし女性は週40時間以下も以上も半々である。また、男性に比べて主に仕事をしている人の絶対数が少ない。家事や育児といった制約があるのだろう。女性にとっては働くことに関して完全に門戸は開かれていないようだ。シニア層の方に目を付けてみると、男女共に60代から一気に就業時間が減る。定年退職という要素が大きいであろう。しかし60代のうちは40時間以上働く人はまだ多い。40時間以下の人もそれほど少ないわけではない。60代前半の人々の就労機会の充実を図ることが必要といえるだろう。高齢単身世帯完全失業者は労働力人口の中で、休職中の人の数で計算されている。働きたくても働けない"泣き寝入り"を計算にいれると、失業はもっと多いはずだ。非労働力人口に加算されているけれども、実際は失業者扱いされるべき高齢単身者は多いのではないだろうか。ソース:総務省統計局 平成17年国勢調査