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ITリテラシとIT苦手意識

2014年11月14日   by mami IT・ネット,シニアビジネスコラム

「最近のシニア層はITリテラシが高いでしょ?」と聞かれる。

本ブログでも何回か取り上げたが、
いつもその質問になんと返答すればいいのか悩んでしまう。

ITリテラシとは、いったいなんだろう?

デジタルネイティブな学生さんに聞くと、
検索なんてほとんどしなくてLINEで友達と情報交換だけだったりする。

IT関係に勤めていない、ITに疎い友達に聞くと、買い物は検索はするけど
インターネットってあまり使わない(facebookと解らないことの検索だけ)とのこと。
「なんとなくインターネットって怖い」けれども、毎日使っている。

一方で「amazonで購入できます」といっただけで
「さすがITリテラシの高いシニア」といわれることもある。
シニア層がiPhoneを使っていたり、ネットで検索をすると「リテラシが高い」といわれるようだ。

いったい、ITリテラシってなんだろう?機械が使えること?検索できること?

デバイスやインターフェースが変わると混乱するシニア層は多い。
先日もiOSを頼まれてアップデートしたら勝手に画面を変えられたせいで使いづらくなった怒られた。(どうすればいいんだろう?)
それでも、「使えること」「スマホを持っている事」がITリテラシの高さに結びつくのだろうか?

デジタルネイティブな大学生たちは、既にパソコンなど使わないが、iOSがバージョンアップしてもすぐに学習し、問題なく使える。さて、これは?

リテラシって誰基準なんだろう?

Wikipedia先生に、「ITリテラシとは?」と聞いてみた。

情報を自己の目的に適合するように使用できる能力のことである。「情報活用能力」や「情報活用力」、「情報を使いこなす力」とも表現する。
ITリテラシ

「使いこなす」という、また少し抽象的な言葉がでる。

一体、ITリテラシが高いということはどういうことなのか
色々な人に、色々なパターンの例を見せて、「この例の人はITリテラシが高いと思うか、低いと思うか」判断してもらいその判断の中にITリテラシの高低を決める何かがあるのではないかと、思い、聞いてみた。

が、多くの人は、シニアには甘く、若者に冷たい。
「シニア層は買い物ができればITリテラシが高い」という人もいれば
「不労所得の情報が得られないシニア層はITリテラシが低い」(!!!!)という人もいたり
基準が全くない、ということが、よく解った。敢えて言うなら、みんな、自分はリテラシが高いと思っていて、そして基準は全部自分だった。オレルールによるITリテラシ判断!

なので、自分なりに考えることにした。
もう少し冷静に考えようと思い、ITリテラシが高い・低いと思っている人たちを20人くらい思い出し、何が高いと感じさせられるのか、低いと感じさせられるのか、高そうに見えて低い、低そうに見えて高いなど、色々なパターンを出した。
その結果、「ITリテラシ」という言葉には「IT」と「リテラシ」の要素が絡み合っているのではないか、ということに気づいた。

・機械が好きかどうか(苦手意識の有無)=IT
・好奇心の強さ、ネットの怖さを知っているかどうか=リテラシ

本来であればそれを組み合わせてITリテラシというべきところ、昨今のシニアとITリテラシという話になると、情報に接することができるだけで「ITリテラシ」と一般的に言われてしまっているような気がしてならない。

そこで、「ITリテラシ」を決める(と私が判断した)モノサシについて書き記すこととする。

ITリテラシの向上が大きくは望めない機械への苦手意識

ITリテラシの「IT」ベースには「機械への苦手意識」がある。

多分、「最近のシニア層はITリテラシが高い」=「機械が使える」につながっているのだろうが、「使える」=「好き」とは限らないということもある。
使っているけども、機械は苦手、あまり好きではないというのは
別にシニア層だけではなく、若年層もそうだ。
最近アルバイトの面接をしたが、「パソコンは使っているけど、基本的に、機械苦手なんですよね」という方がいた。
よくよく聞くと、「使っている」けども、型通り以上の使い方はしていなかった。(例えば、ソフトをダウンロードして入れるとか、カスタマイズとか。)もちろん、いろいろな設定などはしたことがない。

機械が苦手である、ということは、機械をいじってみよう、カスタマイズしてみようという気持ちがうまれない。
「壊れたら嫌だなあ」という気持ちが先に立つ。
そこで「使わない」という選択をしたり、使わなくてはいけない人は「できることしかしない」事を選ぶ。

好奇心の強さがその先の行動を変える

機械は好きではない。でも、溢れんばかりの行動力・好奇心がある。
そういう方たちは、周りを巻き込みながら、とにかく「自分のしたいこと」さえできれば十分だと思っている。

自分の興味のある部分についての情報活用能力はあるが、それ以外は「怖いからヤダ」である。
新しい機械になるとついていけない。「機械」を使いたいのではなく、知りたいことが知りたいからだ。
Blogなどを通じてアウトプットもする。でも、それ以外のことはあまり調べようとしない。
Blogに常連さん以外からの書き込みがあると「誰?怖い」と思ってしまう。

インターネットは普段から使っているが、自分が知らない世界、興味がない世界については全く興味を抱かないか、または、非常に慎重である。

ネットで買うこともあるが、慎重であるため「誰かが紹介してくれた」「大きいところっぽい(会社概要がしっかりしている)」「テレビ・新聞でやっていた」「(信頼できる機関に)教えてもらった」など、信頼を重視する。

ネットを見ているときは、心のどこかで「怖い」という気持ちがあるためか
「戻る」か「閉じる」を多用する。

好奇心が薄い場合には、インターネットが億劫になる

好奇心が薄ければ、Yahoo!のニュースを見て、それ以外調べるものがない。
テレビでやっている言葉を調べたりするが、基本好きではないので、
パソコンを開けるときは、友達や娘・息子からメールで写真を送ったと電話が来たときになる。

使うモチベーションがないと、パソコンを開けるときに時間がかかるのも、閉じるときに毎回更新されるのも、開いたら「○○をインストールして」と迫られるのも億劫に感じてしまう。

これが仕事だったら、嫌でも使わざるを得ないが、強制力がないのであれば、なるべくなら使いたくない。
定年退職をしたらパソコンの利用頻度がぐんと落ちたというのは、多分、この層だ。

ただ、友達がみんなやっているからという理由でSNS等をはじめ、はまる人もいる。
好奇心が高い層に比べて、コミュニティが狭い分、コミュニティ内では受け身であり、かつ、信じやすい。

苦手意識と概念の理解

ところで、ITを苦手意識が強い人を観察していると、概念を把握していないと思うことが多い。
例えば、「リンク」という概念がなかったり、「ページ」の概念、「画面遷移」「フォルダ」などの概念もない。どちらかというと、平面的な捉え方をしている。

概念の理解を促すと、「難しい」という一言で、考えることをやめてしまう。
それは、好きではないからなのだ。
応用なども必要なく、必要なことさえできればいい。

一念発起して、詳しくなろうと疑問を持ったとしても、
「モニターとディスプレイの違い」について気になってしまって前に進めなかったりすることもある。プリンタが「プリンター」と表記されるようになって、混乱してしまう。

概念を解ってしまえば、「そんな大したことない」と思ってしまうようなことが
概念が理解できない人には、とても難しく感じられるし
だから、益々苦手意識を持ってしまう。

イメージ的には、英語を習い始めて、最初の「Hello」を言うのに、発音を気にし過ぎてしまい、しゃべれなくなってしまったり、苦手意識を感じるようなものだと思う。

「ITリテラシ」という言葉に振り回されない!

機械に苦手意識を持つ方たちも、普段から使っているため
「シニアとしてはITリテラシが高い」と思われがちだ。

だが、実際シニア層と接していると、なんとなく使っているけど使いこなしていない、
本当はよく解らない、機械が違うと使えないというご意見を聞く。

提供者は「概念を理解していないこと」の意味が解らないので
なぜそこで躓くのか理解に苦しむことが多い。
それは、世間一般の「ITリテラシの高さ」には関係なく
「機械が根本的に好きじゃないのよ~」の世界があるのだが
提供者にはその世界を理解できないため、そこに差が生じる。

特に、「使っている=ITリテラシが高い」という提供者の思い込みによるサービス提供は、シニアの「ちょい苦手」(実際はシニアだけじゃなく、機械苦手は多い!)意識への理解を遅れさせている。

シニア向け製品・サービスを開発する際は
シニアはITリテラシが高い、その意識をまず、捨ててほしいと願う。
ちなみに、若者も、同じである。若者も、意外と機械苦手多いので
「若いから機械使えるでしょ」という思い込みも恐ろしいものなのだ。

ITリテラシという言葉はとても解釈の範囲が幅広くて難しい。
ペルソナを創るときには、安易に「ITリテラシ」という言葉を使うことは避けたい。
(次回は機械への苦手意識がない層について言及する予定)


 

【マミオン通信】2014年10月29日号

2014年11月5日   by stj064 メールマガジン

先日、教室でマンツーマン対応したシニア女性。

どうやら昔イラストを描く仕事をしていたらしく、
「LINEのスタンプの作り方を教えてほしい」とのご相談でした。

パソコンを開いてみると、
斜めにスキャンされたノイズだらけの手書きの絵がたくさん…。

確かに上手な女の子の絵だったのですが、
これをうまく取り込んで背景を透過してサイズを整えて…
という作業は、パソコン初心者の彼女にはなかなか大変そうです。

この方はさらに意欲が旺盛で、
「老後の生活はヒマだから、『ランサーズ』で仕事を受けたいのよ」
ともおっしゃっていました。

そういえば、最近話題になった以下のブログ記事でも、
ちょうど「60代のデザイナー」のことが出てきたのを思い出しました。

=====================-
20万円かけてランサーズでロゴマークを募集してみてわかったこと – クートンブログ
http://blog.qooton.co.jp/entry/2014/10/16/113200
=====================-

なるほど、こうした「手に職シニア」は
ITリテラシを身に付けることで、
リタイア後も活躍の場を自分でどんどんと作っているんですね。

また先の女性は、このためにMacbookを新規に購入したそうで、
これからペンタブレットも買ってみるよと意気揚々と話していました。

シニアがフリーランスとして働く波は、
ゆっくりとですが確実に広まっているように感じます。

消費者としてではなく、生産者としてシニアをとらえると
また新しいビジネスが考えられるかもしれませんね。

┌─目次───────────────────────────┐

【1】シニアと若者でこれだけ違う旅行検討プロセス

【2】最近のシニア、ユーザビリティ、ECサイトに関するニュース

└──────────────────────────────┘

※このメールは、弊社ウェブサイトからメールマガジンのお申し込みを
いただいた方と、弊社メンバーと名刺交換をさせていただいた方にお送
りしています。

ご不要の方は、お手数ですが本メールの最下部より配信停止のお手続き
をお願いいたします。

┌┐
└■ 【1】シニアと若者でこれだけ違う旅行検討プロセス
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

秋も深まり、行楽シーズン真っ只中ですね!

実は国内ツアー市場では、60歳以上の消費シェアが7割にも上る勢いで、
主役は圧倒的にシニア世代となっているんです。

今回はこうしたシニアの旅行熱が高まる中、
インターネットやパソコン、スマホなどがどう使われているのか、
簡単な自主調査アンケートを行った結果を公開します。

蛇足ですが「若者のPC離れ」もよくわかりますよ!

========================
シニアと若者でこれだけ違う旅行検討プロセス
http://goo.gl/hEioDW
========================

┌┐
└■ 【2】最近のシニア、ユーザビリティ、ECサイトに関するニュース
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

40代~50代でスマホ急増、ニールセン調査 – ケータイ Watch

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20141021_672276.html

読者のニーズ (2014年週刊誌の記録として) – Chikirinの日記

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20141021

入れ歯が飛び、お色気もある 介護向け紙芝居の世界 – デイリーポータルZ:@nifty

http://portal.nifty.com/kiji/141023165459_1.htm

CVR67%アップ!ランキングページはこう変えよう | 一休様 事例紹介 | KAIZEN platform blog

http://blog.kaizenplatform.com/rankingkaizen_ikkyuabtest

パスワード入力欄のマスキングが、ユーザビリティを落とす | EFO・フォーム改善ブログ

http://f-tra.jp/blog/column/4567

┌┐
└■ あ と が き
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最近見たネットの記事で、一番衝撃を受けたのがこちら。

==================
最近見ないけど野球帽の裏に内蔵されていた白いメッシュの目隠しみたいなのって何の為? – Togetterまとめ
http://togetter.com/li/736901
==================

小学校のころ、地元のソフトボール少年団に入っていたので
こういう野球帽をよくかぶっていました。

で、帽子の中についているこの白いメッシュ、
絶対にサングラス代わりだろうと思って
何だか見にくいのを我慢しながら
キャッチボールをするときに使っていたのを思い出します。

当時、誰か教えてくれてもよかったのになぁ…。

                         マミオン 佐藤


 

シニアと若者でこれだけ違う旅行検討プロセス

2014年10月24日   by stj064 シニアマーケット,趣味・活動状況

いよいよ秋の行楽シーズンが到来!この時期を心待ちにしているシニアの方々も多いことでしょう。

総務省の『家計消費状況調査』によると、「国内パック旅行費」消費市場における各世代が占める割合は、60歳以上で約7割、50歳以上に拡げるとなんと8割を優に超えるという状況です。

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画像参照:経済産業省『産業活動分析』(PDF)

こうした状況を受け、【旅行】【交通】【宿泊】などのウェブサイトを運営する企業の方々から、「ウェブサイトのシニア対応」についてのご相談をお受けする機会は以前から非常に多くなっています。

そこでマミオンでは2014年5月に、20代、40代、60代のネットユーザーそれぞれ100人に対し、「旅行検討プロセスに関するアンケート」を行いました。

【調査概要】
 ・調査方法:ネットアンケート
 ・調査期間:2014年5月15-16日(2日間)
 ・調査対象:20代、40代、60代の男女
 ・有効回答:300人(各年代100人ずつ)

今回は、こちらの調査結果をご紹介するとともに、年代による旅行検討プロセスの違いについて考えてみたいと思います。

 

情報収集手段に世代間で大きな差

まず始めに、旅行に関する情報を収集するときに利用する手段についておうかがいしました。

141024_1

ここでまず目に付くのが、「年代が上がるごとにPCを利用する人が増えている」という事実。またそれと同時に、20代での圧倒的なスマホ利用率も目立ちます。

今回はネットアンケートということで、シニアの中でもリテラシが高めの人が回答しているという偏りを考慮する必要がありますが、ここでも最近話題の『若者のPC離れ』現象が垣間見られました。

スマホ普及で「若者PC離れ」進行(web R25)

 

また先の回答について、PC利用とスマホ利用のクロス集計をしてみた結果がこちらです。

141024_2

20代は「スマホ完結」してしまう人が多く、40代はスマホで情報収集は行うものの申込み操作は安全なPCで、60代は大きな画面を求めて最初からPCを利用するといった具合でしょうか。

各年代でインターネット自体の利用率はさほど変わらない一方で、こうした利用行動や心理状況に大きな差が見られるのは興味深いところです。

 

どの世代も「オンライン申込み」は6割にとどまる

次に、旅行の情報収集を十分行ったあと、申込みを行う手段に限って回答をいただきました。

141024_3

ここで意外だったのは、PC/タブレット/スマホを合わせたオンライン申込みの割合が、世代間でそれほど差が見られなかったこと。およそ6割といったところでしょうか。

残りのオフライン申込みの内訳を見ると、60代は「電話」という回答が多い一方で、20代と40代は「店舗」の方が上回っています。これはリタイアして家にいることが多い世代と、通勤通学のついでに立ち寄りやすい世代という環境の違いが影響しているのかもしれません。

この結果を改めて確認すると、オンラインで申込みができるサイトであっても、近くの店舗への誘導や、電話申込みへの誘導をうまく行ってあげる必要があるようですね。

 

「印刷」にはまだまだ根強いニーズあり

最後に、検討した旅行プランについて同行者に情報共有する手段についてうかがいました。

141024_4

20代はスマホ利用率が非常に高いこともありし、スマホを直接見せたり、LINEで共有するという回答が特徴的でした。

一方で年代による影響が綺麗に出ているのが「印刷」ですね。パソコンで調べ、気になる情報は印刷するという行動は、比較的PCを使いこなしているシニアの間でも一般的に行われています。

昨今多くのサイトでは「シェアボタン」を見かけるようになりましたが、ことシニアの利用の多いサイトでは、一緒に「印刷ボタン」の設置もおすすめします。

 

60代の検討プロセスに合った機能を提供しよう!

今回の調査を通して見えてきたのは、若い世代の「スマホ完結」という使い方、そして20-40代で特に見られた「スマホ/PC連携」ニーズ、そして全世代共通した「オンライン/オフライン連携」ニーズです。

「オンライン/オフライン連携」について60代で考えてみると、パソコンで検討した内容を「印刷」して家族で共有し、合意が取れたら「電話」で申込みという使い方が典型的と言えるのではないでしょうか。

教室に通う生徒さんやユーザーテストの対象者にお話をうかがうと、まだ旅行をカタログや代理店で検討している方でも、「インターネットで申し込むと安いんでしょ?私もやりたいのよね!」という声が増えてきているのを感じます。

まだまだシニア利用者の拡大が見込めるこの分野のウェブサイト、ぜひ万全の対策をしておきたいところですね。

 


 

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