いよいよ秋の行楽シーズンが到来!この時期を心待ちにしているシニアの方々も多いことでしょう。

総務省の『家計消費状況調査』によると、「国内パック旅行費」消費市場における各世代が占める割合は、60歳以上で約7割、50歳以上に拡げるとなんと8割を優に超えるという状況です。

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画像参照:経済産業省『産業活動分析』(PDF)

こうした状況を受け、【旅行】【交通】【宿泊】などのウェブサイトを運営する企業の方々から、「ウェブサイトのシニア対応」についてのご相談をお受けする機会は以前から非常に多くなっています。

そこでマミオンでは2014年5月に、20代、40代、60代のネットユーザーそれぞれ100人に対し、「旅行検討プロセスに関するアンケート」を行いました。

【調査概要】
 ・調査方法:ネットアンケート
 ・調査期間:2014年5月15-16日(2日間)
 ・調査対象:20代、40代、60代の男女
 ・有効回答:300人(各年代100人ずつ)

今回は、こちらの調査結果をご紹介するとともに、年代による旅行検討プロセスの違いについて考えてみたいと思います。

 

情報収集手段に世代間で大きな差

まず始めに、旅行に関する情報を収集するときに利用する手段についておうかがいしました。

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ここでまず目に付くのが、「年代が上がるごとにPCを利用する人が増えている」という事実。またそれと同時に、20代での圧倒的なスマホ利用率も目立ちます。

今回はネットアンケートということで、シニアの中でもリテラシが高めの人が回答しているという偏りを考慮する必要がありますが、ここでも最近話題の『若者のPC離れ』現象が垣間見られました。

スマホ普及で「若者PC離れ」進行(web R25)

 

また先の回答について、PC利用とスマホ利用のクロス集計をしてみた結果がこちらです。

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20代は「スマホ完結」してしまう人が多く、40代はスマホで情報収集は行うものの申込み操作は安全なPCで、60代は大きな画面を求めて最初からPCを利用するといった具合でしょうか。

各年代でインターネット自体の利用率はさほど変わらない一方で、こうした利用行動や心理状況に大きな差が見られるのは興味深いところです。

 

どの世代も「オンライン申込み」は6割にとどまる

次に、旅行の情報収集を十分行ったあと、申込みを行う手段に限って回答をいただきました。

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ここで意外だったのは、PC/タブレット/スマホを合わせたオンライン申込みの割合が、世代間でそれほど差が見られなかったこと。およそ6割といったところでしょうか。

残りのオフライン申込みの内訳を見ると、60代は「電話」という回答が多い一方で、20代と40代は「店舗」の方が上回っています。これはリタイアして家にいることが多い世代と、通勤通学のついでに立ち寄りやすい世代という環境の違いが影響しているのかもしれません。

この結果を改めて確認すると、オンラインで申込みができるサイトであっても、近くの店舗への誘導や、電話申込みへの誘導をうまく行ってあげる必要があるようですね。

 

「印刷」にはまだまだ根強いニーズあり

最後に、検討した旅行プランについて同行者に情報共有する手段についてうかがいました。

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20代はスマホ利用率が非常に高いこともありし、スマホを直接見せたり、LINEで共有するという回答が特徴的でした。

一方で年代による影響が綺麗に出ているのが「印刷」ですね。パソコンで調べ、気になる情報は印刷するという行動は、比較的PCを使いこなしているシニアの間でも一般的に行われています。

昨今多くのサイトでは「シェアボタン」を見かけるようになりましたが、ことシニアの利用の多いサイトでは、一緒に「印刷ボタン」の設置もおすすめします。

 

60代の検討プロセスに合った機能を提供しよう!

今回の調査を通して見えてきたのは、若い世代の「スマホ完結」という使い方、そして20-40代で特に見られた「スマホ/PC連携」ニーズ、そして全世代共通した「オンライン/オフライン連携」ニーズです。

「オンライン/オフライン連携」について60代で考えてみると、パソコンで検討した内容を「印刷」して家族で共有し、合意が取れたら「電話」で申込みという使い方が典型的と言えるのではないでしょうか。

教室に通う生徒さんやユーザーテストの対象者にお話をうかがうと、まだ旅行をカタログや代理店で検討している方でも、「インターネットで申し込むと安いんでしょ?私もやりたいのよね!」という声が増えてきているのを感じます。

まだまだシニア利用者の拡大が見込めるこの分野のウェブサイト、ぜひ万全の対策をしておきたいところですね。

 

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