高齢者にはお金を持っている人が比較的多いだろうが、
彼らがそれを本当に使いたいことに使えているのだろうかというと疑問である。

下のグラフは、高齢者の過去の支出に関するアンケートの結果である。
(データは平成18年度 高齢者の経済生活に関する意識調査結果より)

グラフ1によると、過去1年の支出の中で大きな割合を占めていたのは何か、という質問に対して、「健康維持・医療介護のための支出」「冠婚葬祭費」と回答した人はがいずれも40~45%おり、他の項目に比べて非常に高かった。

しかしながら、二つ目のグラフの優先的にお金を使いたいものに関しても40%以上の人が「健康維持・医療介護のための支出」を挙げているのに対して、「冠婚葬祭費」はわずか15%にとどまった。

この結果から見るに、1年間で大きなお金を使う2つの項目のうち、「健康維持・医療介護」は【優先的にお金を使いたい、そして現に使っている】という人が多そうであるが、「冠婚葬祭費」は【進んで使いたいわけではないが使わざるを得ない】という人が多いのではないだろうか。

ただし、次の「日常で負担を感じる支出」のグラフを見ると、「医療費」という回答が非常に多くなっているのが分かる。また、「生命保険や損害保険などの保険料」という項目も約25%の回答率となっており高い。これら二つはグラフ1,2でいうところの「健康維持・医療介護のための支出」と被る部分が大きいだろう。結局のところ、「健康維持・医療介護」の支出は【必要な出費として優先的にお金を使っているが、負担を感じている】人が多いということになるだろう。

またグラフ1,2を再び見てみると、お金を使いたいものとして多く挙げられている一方で、実際に支出が大きかったかについてはあまり挙げられなかった項目は
「子どもや孫のための支出」
「旅行」
「住宅の新築・増改築・修繕」
「自己啓発・学習」
などがあった。
これらの項目にお金をあてることができると、シニアにとって幸福感というものが増すのだろう。

■データソース
内閣府高齢社会対策 高齢社会対策に関する調査
平成18年度 高齢者の経済生活に関する意識調査結果

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