日本と世界の高齢者比較 政策に対する態度

この記事は、日本と世界の高齢者について、それぞれの政策に対する態度の違いについての調査結果をまとめたものである。データは平成22年 第7回 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果のものを使用している。

■若い世代と高齢者のどちらを重視すべきか

このグラフは、若い世代と高齢者のどちらを重視すべきかについて、各国の高齢者の回答結果である。
アメリカでは「高齢者をもっと重視すべき」という回答が多く、「若者をもっと重視すべき」という回答は少なかった。一方、日本では「高齢者をもっと重視すべき」という回答は少なく、逆に「若者をもっと重視すべき」という声は5か国中で最も大きかった。
 

■社会保障制度の水準や負担の在り方について

こちらは税や保険料の水準と負担のバランスに関しての各国の高齢者の意見である。
「税や保険料を増やすことになっても社会保障制度は向上させるべき」という意見は、スウェーデンや韓国で多く、日本は最も少なかった。
スウェーデンではさらに「税や保険料の負担を増やさないためには社会保障制度の水準が下がってもやむを得ない」という回答が非常に少なくなっている。
 

■高齢者に対する政策や支援で大切だと思うもの

まず目に付くのはアメリカのグラフの高さである。すべての項目が50%~80%にもなっており、アメリカの高齢者からの政府の政策・支援に対する要求の高さが垣間見える。また、アメリカほどではないものの、スウェーデンのグラフも非常に高くなっている。

一方で日本と韓国は非常に回答結果が似ており、介護や福祉、医療サービスや、公的な年金への要求は高いようであるが、それ以外の項目への関心はかなり低かった。
 

■老後の生活費に対する考え方

日本と韓国では、「老後の生活費は働けるうちに準備し、家庭や公的な援助には頼らないようにするべき」という回答が多かった。
逆に、スウェーデンでは、より公的な機関に頼るべきという意見が多かった。
 

■まとめ
日本の高齢者を他のいくつかの国と比較して、以下のような傾向があることが確認できた。
・若い世代をもっと重視すべきという考えが比較的多い
・社会保障制度の水準と負担のバランスに関しては現実的な考え方
・「高齢者に対する政策や支援で大切だと思うもの」ではあまり多くは望みはしていない
・老後の生活費に関しては、援助に頼らない、より自立的な考えが多い。

■データソース
平成22年 第7回 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果
調査対象者:日本、アメリカ、韓国、ドイツ、スウェーデンの5か国の60歳以上の男女個人(施設入居者を除く)

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