高齢者の災害時や緊急時の避難について【平成21年度 高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査結果】

高齢者の災害時や緊急時の避難について【平成21年度 高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査結果】

本データは、高齢者が「災害時や緊急時に避難できるかどうか」についての調査結果である。対象は60歳以上の男女である。

都市別
高齢者にとって、自分たちが住んでいる都市の規模というものは「きちんと避難できるかどうか」に関してはあまり関係がないようであった。

男女別
男性の方が女性よりも、「避難できる」と答えた人は多いが、そこにはあまり大きな差はないようだ。

年齢階級別
年齢階級別の結果では大きく差がついた。「避難できる」と回答した人の割合は、74歳まででは90%台を保ち、75~79歳では88.4%と90%をやや下回るがそれでもまだ高い割合を保っている。一方で、80歳以上となるとその割合は71.4%と大きく落ち、さらに85歳以上のみだと62.5%となる。
1人で判断できるが避難はできない、と答えた人は80歳以上で18%にのぼり、避難に関して体力的な不安を抱えている人が多いことを伺わせる。

世帯別
単身世帯でも、3世代世帯でも、あまり違いはないようだ。

月収別
月収が高い人ほど、避難に関しては自信があるようだ。月収が15万円を超える場合は避難できると答えた人は90%以上。それ以下では80%台となった。そして「収入はない」人で「避難できる」と回答した人は66%と大きく落ち込んだ。

月収がある人ならばその多い少ないに関わらず、「わからない」と回答した人がほとんどいない。
しかし一方で、「収入はない」人に限っては「わからない」と回答した人が25.5%にも上る。
収入がないことによる普段からの不安が、緊急時に自分がどうなるか分からないという回答を生み出しているのだろうか。

健康状態別
健康の度合いが普通以上の人は、90%以上の高い割合で「避難できる」と答えているのに対して、健康でないと答えた人で「避難できる」と答えた人は56.1%にまで低下している。健康状態が良く体力がある人は、被災時にきちんとした行動ができると自信があるということが言える。

逆に、「健康でない」と回答した人で、「避難はできない(計)」は39.8%、「判断はできるが避難はできない」は31.7%である。
どのような行動をとるべきか判断はできるが、やはり実際に行動する段になると自信がない、という人が多くなっている。

生きがいを感じるかどうか別
あまり大きな差はあらわれていないが、それでも生きがいを感じている人の方が感じていない人よりも、避難に関しては自信があるようだ。

生きがいを感じている人というのは、健康面で充実した若々しい人が多い。したがって、それに関連して緊急時にもきちんと行動できるという自信を持った人が多いということなのだろう。

外出の頻度別
外出をよくする人ほど、避難できると答えた人が多い。そのバックグラウンドにあるものも、やはり健康や体力面での充実であろう。

人とのつながり別
近所づき合いが多い人ほど、あるいは地域とのつながりをよく感じている人ほど「避難できる」という回答が多かった。

孤独死について感じるか別

孤独死について感じるかどうか別の結果では、「非常に感じる」~「まったく感じない」人にはほとんど差がない。しかしながら「わからない」人は避難できると答えた割合が大きく下がっており、また避難できるかどうかわからないと答えた人も増えた。

まとめ
今回のデータは、実際に避難できたかどうかではなく、きちんと避難できる自信があるかどうか、を問うている点に注意する必要がある。体力気力ともに充実した人ならば、避難できる自信のある人が多いが、そうでない人は「避難できない」と答える人が多かった。具体的には、年齢が80歳以上であったり、健康でない人となると、「避難できない」「わからない」と回答する人が多くなった。

また、収入が少しでもある人は、「避難できる」と答える人が多かったが、収入が無い人となると途端に「わからない」という回答が目立つようになり、回答者の感じている不安な気持ちがうかがえるようだ。普段から高齢者の将来に対しての不安を取り除くケアを続けることで、緊急時に彼らが感じる不安をも和らげることができるのではないだろうか。

■データ出典
平成21年度 高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査結果