シニア層による大手ショッピングサイト比較

ショッピングモールの使いやすさランキングYahoo!ショッピング、楽天市場、Biddersの3ショッピングモールを実際にシニアに利用し、評価を行った。

結果概要

1位は4.1点のYahoo!ショッピングであった。入力フォームがほかのサイトと比べ優れていることが高得点につながった。2位は楽天市場の3.9点で、商品一覧画面での値段の比較がしやすいことや、レビューが充実しているなどの購買意欲をそそる工夫が評価された。3位はbiddersの3.0点で、(1)初期設定のまま検索を行うと、オークションや共同購入の商品を含めて検索されてしまい混乱を招いたことと、(2)入力フォームでのエラーの表示方法に問題があったことで点数が伸びなかった。

調査方法概要

実施日:2007年2月19日対象サイト:ショッピングモール(Yahoo!ショッピング・楽天市場・bidders)参加者:63歳1名、65歳1名、66歳1名、73歳2名計5名のシニア(全員女性)に、3つの大手ショッピングサイトを閲覧・操作。それぞれのインターネット利用暦は平均3年程度、利用暦1年~4年の人が参加した。

検索対象

  1. 家電製品や化粧品など、どのショップで購入しても内容に違いがないが値段に差があるもの
  2. 食品など、ショップによって内容が違うと予測されるものの

の2つの商品で、各サイトのトップページから 検索 → 決定 → 注文(の直前まで)を行った。被験者が全員女性だったことと、事前の簡易ヒアリングより、1については「化粧水」、2については「蟹」を対象とした。終了後、各ポータルサイトの商品一覧の見やすさ・商品の比較のしやすさ・内容のわかりやすさ・文字の読みやすさ・好き嫌いについてそれぞれ5点満点で採点してもらった。 また、操作中の様子や発言から、各サービスごとに調査員による採点を行い、ユーザー評価・ヒューリスティック評価の平均を総合得点として算出した。

総合得点
総合得点(5点満点)
良い点 悪い点
Yahoo!ショッピング
4.1
特に入力フォームが優れており入力時の混乱を引き起こさなかった。 「カートに入れる」ボタンを見つけられない。
楽天市場
3.9
商品検索がしやすい。目的の商品が探しやすい。また、値段などでの絞り込みもしやすい。 購入時のフォームが解りづらい。
bidders
3.0
商品画面から注文画面に進むまでのナビゲーションが、迷わず行えるつくりになっている。 絞り込み検索がしにくい。注文時のエラー画面に問題がある。
ユーザー評価(5点満点・平均)
平均
商品一覧の見やすさ
商品の比較のしやすさ
内容の解り易さ
文字の読みやすさ
好き・嫌い
Yahoo!ショッピング
4.05
4.6
3.6
3.8
4.4
4.25
楽天市場
4.06
4.4
3.4
4.0
4.4
4.5
bidders
3.13
3.6
2.2
3.0
3.6
3.25


ヒューリスティック評価(サービス別・5点満点)
サービス
得点
ポイント

Yahoo!ショッピング

平均 4.17

検索結果の見やすさ
3
支払方法の情報が明示してあり、親切。価格を見やすい位置にそろえるとよりよい。
検索のしやすさ
5
検索ボックスへの入力も、カテゴリからの検索も問題なくできる。
購入までの流れ
3
「カートに入れる」ボタンをクリックすることで購入画面に進むことができるが、カートに入れるという表現がわかりにくい。「カーとに入れる」ボタンも目に入りにくく(特に今回はカニを対象にしたため、赤いボタンが蟹と同化してわかりにくかった)、商品を探すことはできるが、どうすれば購入できるかがわからないという問題が起きた。
入力フォーム
5
どのように郵便番号を入れてもエラーにならないように作られていてとてもよい。レイアウトも整っており、迷わずに入力できる。
エラー画面
5
画面上部にエラーについて表示され、ページ内リンクでエラー部分を簡単に表示できる。さらにエラーを起こしている入力部品の直下にもエラー表示が出るため、非常にわかりやすい。

楽天市場

平均 4.17

検索結果の見やすさ
4
商品の写真・商品名・価格がはっきり見やすく配置されている。一度に表示される商品数が多く、商品名も宣伝的なため、好みが分かれるが、購買意欲をそそられる。
検索のしやすさ
5
検索ボックスへの入力も、カテゴリからの検索も問題なくできる。
購入までの流れ
4
価格の表記がはっきりしていてわかりやすい。「買い物かごに入れる」という言葉もよい。送料や支払方法が別ページに記載されているため、調べる手間がかかる。ショップにより、ひとつのページに多数の商品があり、混乱させることもある。
入力フォーム
4
注文者情報入力の画面で、「楽天会員登録をされている方」の下に「楽天会員登録をされていない方」の入力フォームがあるが、画面の解像度によって、「楽天会員登録をされている方」の部分までしか表示されないため、会員登録していない場合、購入できないと思ってしまう。
エラー画面
2
画面上部にしか表示されない。何についてエラーが起こったのか忘れてしまうため、一度でエラーの修正ができない。

bidders

平均 4.17

検索結果の見やすさ
2
何も考えずに検索すると、固定価格・オークション・共同購入の商品が混ざった状態で検索されてしまう。基本的に背景色が白く、情報量が少なく感じられる。
検索のしやすさ
3
価格で絞込みをしたいとき、入力でしか絞込みができない。入力ボックスも目に入りにくい。
購入までの流れ
5
商品の価格や支払方法・送料などの記載の仕方が統一されており、解りやすく感じる。
入力フォーム
4
迷わず入力できる。郵便番号やメールアドレス、電話番号などのフォームは分割されていないほうがよい。
エラー画面
0
エラーのみが表示され、ブラウザの戻るボタンを使用して戻って修正する形式。「ブラウザの戻るボタン」という言葉が理解されない。また、何についてエラーが起こったのか忘れてしまうため、エラーの修正ができない。


結果詳細

検索結果・商品一覧

「楽天市場の商品一覧は、写真が小さく、ひとつの画面にたくさん(商品が)ありすぎて選択しにくい。Yahoo!の場合は商品ひとつが表示されるスペースが広くて見やすい」(63歳)という意見があるが、実際に講座がもっとも盛り上がったのは楽天市場でカニを探している時だった。商品名の文言に買い物の魅力を感じるためである。支払方法について、楽天市場には「カードOK」という表記があるが、参加者はインターネットショッピングに慣れていないため、何を示しているのか理解していなかった。Yahoo!ショッピングのように、どんな支払方法ができるのかをすべて明示してあるほうが望ましい。biddersは掲載情報が少なく、購買意欲が高まらない。楽天市場は「ごちゃごちゃしている」(74歳女性)が、買い物感がそそられる。楽天市場

絞込み

楽天市場は、絞込みをする前は「売り切れ」の商品も表示されてしまう。慣れないユーザーからは「売り切れの商品を買うにはどうしたらいいのか」(73歳)という質問があった。実際の商品がないのに表示がされているということが理解しにくく、購入の方法があるのではないかと考えてしまうためである。絞込みで売り切れていない商品のみを表示させることができるが、「買い物可能」という文言のリンクをクリックしなければならず、「売り切れ」という言葉と対応していないため押すことができない。「売り切れの商品を非表示にする」など、思考と対応する文言を考える必要がある。biddersは価格帯で絞り込むためには価格を入力するしか方法がない。価格帯で絞り込むリンクがあるほうがよい。

比較機能

サイト内の比較機能はまったく利用されなかった。商品一覧画面で価格を見てあたりをつけ、送料などを含めるとどうなるかをそれぞれのショップごとに紙などに記録して比較する方法がとられた。

評価

Yahoo!ショッピングでは、検索結果画面にストアの評価が5つ星で示される。星マークは評価のメタファーとしてわかりやすく、直感的に理解できる。ただし、ストアの評価なのか商品の評価なのかを理解できない。レビューについては全員が商品購入の参考になると回答した。楽天市場には商品・ショップそれぞれへのレビュー機能があり、特にカニなどの購入には参考になる。ただし、検索結果画面では「感想」というこ言葉にリンクがされているが、遷移したページでは「ユーザーレビュー」という表記になっているため、理解ができない人が多かった。評価

購入のためのボタン

楽天市場とbiddersは商品個別のページから注文画面まで比較的スムーズに進むことができたが、Yahoo!ショッピングは「カートに入れる」というボタンが見づらく、どうやって購入するのかを判別できない場合が多かった。楽天市場はボタンの文言が「買い物かごに入れる」、Yahoo!ショッピングは「カートに入れる」であることが理解しにくい。さらに、購入ボタンの形状や色が影響した。以下はYahoo!の蟹ページ。カートに入れるが同系色のため、最後まで「カートに入れる」ボタンが見つからなかった。Yahoo!

注文画面

どのサイトでも、会員用のフォームと会員ではない人用のフォームが用意されている。今回の参加者は全員どのサイトでも会員になっていなかったが、もっともスムーズに会員以外の購入フォームにたどり着けたサイトはbiddersである。biddersの場合、画面をスクロールせずに「会員でない方はこちらから」の文字が見え、迷わずに入力ができる。楽天市場の場合、biddersと画面の構造は同じだが、商品名が長いものが多く、購入商品数が少なくても、スクロールしないと「楽天会員登録されていない方」の文字が見えない。会員用のフォームが目立ちすぎていることや、「楽天会員登録されていない方」が赤背景に白文字で目に留まりにくいことも問題である。Yahoo!ショッピングは、「お届け情報入力へ」のボタンをもっと画面の上部に、ボタンらしい形状で表示することが望ましい。楽天市場もYahoo!ショッピングも、会員にならないと購入できないと判断して、購入をあきらめてしまう傾向がある。以下はBiddersの画面。スクロールなしで「会員でない方」まで見えるので、「会員登録」なしでも購入できることが解る。Bidders

入力フォーム

Yahoo!ショッピングの入力フォームがもっとも抵抗なく入力ができた。入力途中で戻るボタンを使っても入力したものがクリアされない点や、郵便番号の入力が全角半角ハイフンの有無すべてに対応している点もよい。楽天市場とbiddersは、郵便番号を調べるためのリンクを設けてあるが、どちらも使いにくい。特に楽天市場の場合、郵便番号を入力するフォームの隣に「郵便番号検索はこちら」という言葉でリンクされており、住所入力補助のためのリンクだと誤解する可能性がある。シニアは画面をあまり見ずに、キーボードを注視しながら入力する傾向があるため、郵便番号や電話番号のフォームは桁ごとに区切らず、Yahoo!ショッピングのようにすることが望ましい。

入力フォームのエラー

Yahoo!ショッピングのエラー表示とてもよい。ページ上部にエラー内容が表示され、さらに修正が必要な箇所の直下にも注意書きが示される。biddersのエラー表示がシニア向けではないつくりの代表例で、エラー内容が表示され、その下に「ブラウザの[戻る]ボタンで前の画面に戻ってください。」という表記がある。「ブラウザ」という言葉も通じない上に、戻るボタンで戻っても、何を修正したらいいのか忘れてしまっているため、正しく入力できるまでに時間がかかる。以下はYahoo!の画面。画面上部にエラー項目が出ると同時に各部分にエラーの内容が表示される。入力フォーム


[調査・報告]50?60代は外出・旅行など余暇を楽しむ情報収集チャネルとしてネットを利用したい、日経リサーチ日経リサーチ(園本雄司社長)は、今後ますます高まっていくと考えられている団塊世代を含む50?60代に焦点を置き、今後のインターネットの利用について調査を行った。若年層に比べて利用が「増える」と回答する割合が約4割にのぼり、その利用目的はレジャー関連がとくに多くなっている。…